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郡山経済研究会(水曜会、森一彦代表幹事)の第422回例会は19日、福島県郡山市の郡山ビューホテルアネックスで開かれ、日本銀行福島支店の森下謙太郎支店長(48)が「最近の金融経済情勢」と題し講演した。
各種経済指標を用いて国内と県内の経済情勢を読み解いた。国内については、実質国内総生産(GDP)や消費者物価指数の現状と見通しを示し、注目点として①米国の関税政策②設備投資③食料品価格の上昇と個人消費の三つを挙げた。
米国関税政策の影響のうち輸出については、ひと頃に比べれば不確実性は低下していると述べた。設備投資は老朽化インフラの建て替えサイクルにあって堅調だが、人手不足で工期の長期化や受注残の積み上がりが顕著と指摘した。個人消費は実質ベースでみると、横ばい圏内の動きにあるとした。
県内については、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス圏内で横ばいの動きにあるものの、先行は若干慎重な見方になっているとした。企業の経常利益率は高めの水準を維持しており、利益率を維持できるかどうかが、今後の注目ポイントになると分析した。
賃金に関しては、雇用・所得環境は緩やかに改善していると述べた。生鮮食品を除く消費者物価指数は前年を上回って推移しているが、上昇幅は低下しているとした。
東北初の支店として開設された福島支店の歴史や日銀の役割も紹介した。
森下さんは東京都出身。慶応大大学院理工学研究科修士課程修了。2002(平成14)年に日本銀行に入行し、国際局国際収支課長、情報サービス局総務課長などを歴任した。今年5月から福島支店長を務めている。(郡山版)

