福島のニュース
福島市のJR福島駅東口に近い商業施設「MAXふくしま」に総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテ」が進出する。ダイユーエイト(福島市)が直営している1、2階を大幅改装し、食料品や日用品、生活雑貨などを充実させる。2フロアの大半に当たる直営3店舗を12月31日で閉め、来年夏前ごろに新店舗を開くとみられる。駅周辺を含む市中心部は大型商業施設の閉店や再開発計画の遅れで空洞化が加速している。中心市街地への「吸引力の核」となる施設を設けることで、新たな人の流れが生まれると期待される。
MEGAドン・キホーテを誘致したダイユーエイトが20日、計画を明らかにした。新店舗が入るのは、MAXふくしま1階で生鮮品や菓子、飲料などを扱う「FOOD
MAX(フードマックス)」、日用品や医薬品販売の「DRUG
EIGHT
MAX(ドラッグエイトマックス)」、2階で生活雑貨や文具、化粧品などをそろえる「One’s
MAX(ワンズマックス)」の営業エリア。開店時期は今後詰めるが、関係者によると、数カ月間の改装期間の後を予定している。
MEGAドン・キホーテは国内に約140店を展開する。生鮮品や日用品、雑貨、衣料品、家電などを扱っており、関係者によると新店舗も同様の品ぞろえとなる見通し。MEGAドン・キホーテの運営会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH、東京都)の出店担当者は20日、MAXふくしまへの進出について「現時点でお答えできない」とした。
ダイユーエイトは2010(平成22)年11月のMAXふくしま開業時からテナントを出店してきた。開業15年の節目に向けて店舗機能の強化を検討。中高生や若い家族が集うビルや立地の特徴を踏まえ、若者に人気のある店舗への転換を決めた。PPIHと賃貸借契約を結び、業務協力する。
年内で閉まる3店舗の他に、ダイユーエイトが直営している自転車用品店や他事業者運営のカフェや衣料品店、生花店、映画館などは年明け以降も営業する。
福島駅周辺では、2020(令和2)年に中合福島店、昨年にイトーヨーカドー福島店が閉店し、東口駅前の再開発ビルの完成が遅れるなど空洞化が進んでいる。市によると、駅前通りの平日の通行量は中合福島店閉店前に比べて約3割減っている。再開発ビルの開業は4年後の2029年度と見込まれる一方、隣接市を含む郊外では大型商業施設の新設が計画されている。このままでは空洞化がさらに進むとして、新規の集客施設の必要性が指摘されていた。
ダイユーエイトの浅倉俊一会長兼最高経営責任者(CEO)は「中心部の活性化につなげるために検討を重ねてきた。若者だけでなく、ご愛顧いただいているお客さまにも、より支持してもらえる店舗を目指したい」と話した。※MAXふくしま
福島市の旧さくら野百貨店の建物を活用し、2010(平成22)年11月にオープンした。1~3階はダイユーエイト直営店に加え、カフェや雑貨店、衣料品店などが並び、4階に市生涯学習施設「アオウゼ」、5階に映画館「イオンシネマ福島」が入る。土地・建物は市が出資する第三セクター「福島まちづくりセンター」が所有。商業機能に加えて学習スペースを備え、高校生ら若者の利用が多い。※
MEGAドン・キホーテ
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH、東京都)が展開している総合ディスカウントストア。同社が運営する「ドン・キホーテ」と比べ、生鮮品を扱っているのが特徴。県内ではいわき市に「MEGAドン・キホーテ」、会津若松市にスーパーマーケット機能との融合店「MEGAドン・キホーテUNY」がある。「ドン・キホーテ」の県内店舗は福島、郡山、須賀川の3市に各1カ所。

