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福島県三春町指定史跡「三春城跡」の二の丸跡から石垣が初めて見つかった。大きさや形状から江戸時代初期に当地を治めた蒲生氏時代の技術によるとみられる。町教委が22日、現地で開いた説明会で明らかにした。城が築かれる過程に迫る手掛かりとなるという。
町教委は国史跡への指定を目指し、文化庁の支援を得て城跡の本格的な調査に着手。1年目の今年度は城跡全体の詳細な地形図の作成や、二の丸跡の試掘などを進めている。
二の丸は城山児童遊園地付近にあったとされ、調査では一帯の地表約100平方メートルを掘り進めた。二の丸跡から出た石垣は蒲生氏時代に造営された本丸東側に残る大型の石を使った石垣と似ており、同時期に築かれたと推測される。これまでは二の丸はより後世の加藤・松下氏時代の造営と考えられており、城郭の変遷をより詳細にたどれる資料的な価値を持つという。
22日は町歴史民俗資料館の平田禎文館長が調査の成果を解説した。年内の調査は27日で終える。試掘現場の多くは埋め戻すが、石垣の一部などは現状を維持する。平田館長は「さらに調査を進め、今後5~7年ほどを目標に、国史跡指定を目指したい」としている。

