ラフティング世界に挑む新潟大探検部 母校の安積高(福島県郡山市)で培った力糧に日本代表 マレーシア30日開幕

  • [エリア] 郡山市

福島のニュース


福島県郡山市の安積高出身の小[お]此[この]木[ぎ]唯菜さん(20)と吉田浩太朗さん(22)らの新潟大探検部ラフティングチーム「朱[と]鷺[き]」は、川の激流を下るレースラフティングのIRF世界選手権(30日開幕、マレーシア)に出場する。母校で培った文武両道の精神を胸に学業と早朝練習、遠征を両立させ、日本代表の座を射止めた。「表彰台を目指す」と闘志を燃やしている。
朱鷺は世界選手権に向け5月、2~4年生の精鋭5人で結成。6月に長野県で開かれた選考会で23歳以下のジュニア男子の部(男女混合可)2位に入り、初の世界切符を手にした。
競技は4人乗りで、3年の小此木さんは指示を出しながら艇を進路に引っ張る前方2人の右を担う。4年の吉田さんは艇のバランス調整や加速を担う後方2人の右を選考会で務めたが、世界選手権ではサポートに回る。「探検」の名に引かれ、複数のアウトドアスポーツからラフティングに興味を抱いた。
毎朝4時30分から新潟市の信濃川下流で2、3時間練習し、週末は激流を求めて県外に遠征する。授業に加え、遠征費を稼ぐアルバイトもしている生活を支えるのが高校時代の鍛錬だ。小此木さんは授業後に部活動で心身を追い込み、「継続力と根性」が養われた。吉田さんは数学や物理で学んだベクトルが、ボートを傾ける角度を考える上で役立つと強調する。
IRF世界選手権には21カ国から65チームが集い、ジュニア男子は8チームが出場する。四つの種目別と総合で順位を決める。朱鷺が目指すはゲートの通過タイムを競うスラロームでの3位以上だ。小此木さんは「的確な指示とリーダーシップでけん引したい」と気持ちを奮い立たせる。吉田さんは「新潟のトキのように世界の舞台で羽ばたきたい」と日の丸を背負う戦いを待ち望む。■渡航費など寄付募る
新潟大探検部は渡航費や装備輸送費、滞在費、保険代など、大会出場に必要な経費の寄付を募っている。12月中旬ごろまで受け付ける。問い合わせは探検部
メールnuec.nipponia@gmail.comへ。※レースラフティング
自然の河川や人工の水流にコースを設定し、4人制や6人制で激流を下る速さを競う。国内の競技人口は約千人。短距離の「スプリント」、トーナメント方式で争う2艇同時スタートの「H2H(ヘッド・ツ・ヘッド)」、ゲートを通過する「スラローム」、長距離の「ダウンリバー」の4種目がある。国際的な競技統括団体のIRF(国際ラフティング連盟)とWRF(世界ラフティング連盟)は統合協議中で、将来的な五輪競技採用を目指している。