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会津松平家14代当主・松平保久さん(71)は25日、幕末の会津藩絵師・野出蕉雨が描いた掛け軸を福島県会津若松市に寄贈した。会津長寿園理事長の高木龍一郎さん(71)が市内の自宅で保管していた。市の史料にはない貴重な作品で、市は展示や公開方法などを検討している。
高木さんの父厚保さん(元会津若松商工会議所会頭、故人)は松平さんの父で13代当主の保定さん(故人)と懇意にしていた。野出が松平家に献上した掛け軸の保管を、高木家が任されていたという。松平さんは市役所の新庁舎完成を機に、市への寄贈を決めた。
野出は9代藩主・松平容保が京都守護職として在任中、藩命を受けて京都に出向き絵を学んだ。明治時代に「牡丹画」を完成させ、ボタンとクジャクの絵を得意としていた。
寄贈された掛け軸は長さ245センチ、幅106センチ。大小のクジャク2羽とボタンの花が描かれている。落款には「大正戊午」と記されており、大正時代に描かれたとみられる。
同日、市役所で寄贈式が行われた。松平さんは「戊辰戦争が終わった後も、野出が松平家を大切にしてくれたことがうかがえる」と見解を述べた。高木さんが「作品を多くの市民らに見てほしい」と話し、室井照平市長は「大切に預からせていただく」と応じた。

