福島のニュース
福島県いわき市の東日大昌平高3年の緑川梨音さん(18)は福島医大医学部の総合型選抜に合格した。学校からの合格は2人目。緑川さんは「総合診療医として県内で働く。JMAT(日本医師会災害医療チーム)に所属して災害現場でも仕事をしたい」と目を輝かせた。
緑川さんは、緊急帝王切開で産まれた双子の弟と妹を救ってもらったことをきっかけに、医療の道を意識したという。当時は6歳だった。小学生になってから東日本大震災を伝える記録を見て、災害の恐ろしさを痛感するともに「医療は被災者を支える存在としても大切なんだ」と夢を強くした。
東日大昌平中に進学してから本格的に医学部合格に向けた勉強を開始。高校に進学してからも懸命に学びを続けた。一方、詩吟部部長として全国大会に出場したり、ボランティア活動に参加したりと勉学以外にも全力で取り組んだ。受験が迫ると教職員らの力を借りて面接練習を繰り返し、本番に臨んだ。
合格が分かった時は「叫びました。うれしくて」と笑顔。医師への道はここからが本番となる。「患者に寄り添い、不安を取り除けるような医師になりたい」と言葉に力を込めた。(いわき版)

