福島市民の清流未来へ 荒川「15年連続水質日本一」でシンポ 情報発信や熊対策議論

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福島市民の清流未来へ 荒川「15年連続水質日本一」でシンポ 情報発信や熊対策議論

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福島市を流れる荒川の「15年連続水質日本一」を記念したシンポジウム「めぐる水、つなぐ未来」は28日、市内のあづま総合体育館で開かれた。専門家らがこれまでの歩みを振り返り、将来にわたって清流を守り続ける意義を語り合った。
ふるさとの川・荒川づくり協議会、国土交通省福島河川国道事務所、福島民報社などでつくる実行委員会の主催。福島河川国道事務所の元所長の永尾慎一郎さん(山形県県土整備部長)、福島河川国道事務所の望月貴文所長、福島大共生システム理工学類の川越清樹教授、ふるさとの川・荒川づくり協議会の佐々木秀明会長がパネリストを務めた。プランニングネットワークの伊藤登代表がアドバイザーを担った。
永尾さんは流域で川に親しめる環境づくりを提案。望月所長は水害に見舞われた歴史などを紹介した。川越教授は流域のごみ削減に向けた行事の開催や情報発信を呼びかけた。佐々木会長は水辺にいる多様な生物を守るための水質保全の重要性を強調した。
この他、河川敷で相次いで目撃されている熊の対策も話題に挙がり、やぶ払いや樹木伐採、ドローン活用の在り方について議論した。
シンポジウムに先立ち、伊藤代表が「フィールドミュージアムとしての荒川の魅力と価値の創造」と題して登壇した。福島民報社の角田守良編集局長が司会進行を務めた。
国土交通省は全国160の1級河川を対象に毎年水質調査を実施し、7月に発表した2024(令和6)年河川水質調査の結果で、荒川を「水質が最も良好な河川」に認定した。生活排水などによる水の汚れを示す指標「生物化学的酸素要求量(BOD)」の年間平均値などを用いて評価し、環境省が定める報告下限値の1リットル当たり0・5ミリグラムの基準を満たした。