心つかんだ攻撃サッカー 福島県内2チームホーム総観客数最多

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心つかんだ攻撃サッカー 福島県内2チームホーム総観客数最多

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29日に今季最終戦を迎えたサッカーJ2いわきFCとJ3福島ユナイテッドFC(福島U)はそろって勝利し、サポーターの期待に応えた。福島県の両チームとも今シーズンのホーム入場者数は過去最多を更新した。「攻撃的なサッカーは見ていてワクワクする」。観客を魅了するプレーが集客に結び付いた。いわきは小名浜港近くに新スタジアムを整備する計画。福島は今年度中に新スタジアム整備地を確定させたい考え。サポーターらは「勝つことでファンが増え、スタジアム整備の機運が高まってほしい」と来季の飛躍を願った。■福島U次こそは優勝、昇格
福島Uは2年連続のプレーオフ進出は逃したが、4連勝で締めくくった。ただ、チームは今季、優勝と昇格を掲げただけに、寺田周平監督(50)は「悔しくて残念の気持ちでいっぱいだ」と唇をかんだ。
勝利をほぼ手中に収めながらの敗戦や下位相手の取りこぼしなど勝ち点3の積み上げに苦労した。ホーム戦の観客数が千人を切ることもあった。クラブは地元の小中学生らを無料招待し、サッカーに触れる機会をつくった。趣向を凝らしたイベントも企画し、プレー以外でスタジアムを楽しめるよう工夫した。8月には県内プロスポーツチーム最多となる8698人が来場。ホーム戦の総観客数は4万5113人で前年の3万4198人から1万915人増えた。平均観客数は目標の2500人に届かなかったが、2374人で過去最多となった。
今季のチーム得点数60はリーグ4番目。最終戦を観戦した福島市の公務員宮谷智仁さん(48)は「攻撃サッカーは見ていてワクワクした。来季は守備を改善し、優勝と昇格を達成してほしい」と期待した。針谷岳晃主将(27)は「どんな状況でも温かい声援をくれるサポーターと、来季は喜びを分かち合う」と約束した。■いわきFC来季へ夢膨らむ
今季最終戦に臨むいわきFCを後押ししようと、サポーター約1500人が敵地に詰めかけた。仙台ファンで黄色く染まるスタンドの一角を「キングレッド」に染め上げた。クラブによると、アウェー会場に訪れたサポーター数は過去最多とみられる。1万8千人超が来場した東北ダービーを制し、来季以降のさらなる飛躍を予感させた。
仙台市出身で、今春からいわき市に移り住んだ会社員、長内優仁さん(27)は「攻撃的なスタイルを貫き、ぶれないサッカーが魅力的」と語り、約10試合観戦した。敵地にも多くのサポーターが足を運んだ光景を見て、クラブ創設10年で応援の輪が大きく広がっていることを実感した。
今季ホーム戦の年間入場者は8万3063人となり、過去最多を記録。J2に参入してから3シーズン、右肩上がりの増加を続けている。3月には小名浜港を整備候補地とする新スタジアム計画を公表した。周辺には商業・観光施設が立地し、地域活性化の起爆剤になると期待される。勝利を重ねることでファンのさらなる増加とスタジアム整備の機運の高まりが想定される。長内さんは「小名浜にできる新しいスタジアムで試合を見るのが楽しみ」と夢を膨らませた。■ボンズB2首位独走
集客も好調
今季ホーム平均4267人
バスケットボールのりそなBリーグ2部(B2)東地区首位の福島ファイヤーボンズは成績に連動し、集客も好調だ。ボンズは来季始まる新たな最上位カテゴリー「Bリーグ・プレミア(Bプレミア)」に2029―30シーズンからの参入を目指している。ホーム戦の1試合平均入場者数4千人が要件の一つとなる。29日の試合で今季予定されているホーム戦30試合のうち11試合を終えた。1試合平均入場者数は4267人で要件を上回っている。