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県都に春の到来を告げる2月の伝統行事「信夫三山暁まいり」の活気が街なかに戻ってくる。新型コロナ禍で縮小していた大わらじの練り歩きルートを福島市中心部からのスタートに変更する。活性化が急務となっている市街地での〝見せ場〟を増やす。主催する信夫三山奉賛会が市内の企業・団体を新たな役員に迎え、持続的な運営を支える。1日、市民センターで開いた総会で事業計画と組織体制を決めた。
練り歩きは来年2月21日に実施し、信夫山の中腹にある羽黒神社にわらじを奉納する。新ルートは全長約3・3キロで、【地図】の通り。わらじの担ぎ手がまちなか広場を出発し、勇壮にパセオ通りを北進して信夫山を目指す。出発に際し駅前通りで全長12メートルの大わらじを展示する。同日は信夫山で福島青年会議所主催の「福男福女競走」も催される。
わらじ奉納は江戸時代から400年余り続く伝統行事。五穀豊穣や家内安全、身体強健を祈願する。奉賛会の練り歩きは、大わらじを制作する市内御山の作業所から飯坂街道、JR福島駅東口周辺などを経て、信夫山に至る全長10キロ超の行程で営まれてきた。ただ、新型コロナ感染拡大で3年間の中止を挟んだ。2024(令和6)年2月の開催から規模を縮小し、信夫山の駒山公園から羽黒神社に向かう形で再開した。
当日の担ぎ手は80人体制で臨む。公募の50人に加え、ボランティア団体「日本一の大わらじを担ぐ会」が協力する。関口栄幸会長は「市民の目に触れる機会を通じ、活気を届けたい」と意気込んだ。奉賛会の役員変更で新会長に就いた菅野日出喜福島商工会議所副会頭は「信夫山は市民のシンボル。心のよりどころになれるよう努力していきたい」と決意を新たにした。

