【師走ひと模様】茶の心、子どもたちへ 茶道教授の服部あい子さん(福島県郡山市)

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【師走ひと模様】茶の心、子どもたちへ 茶道教授の服部あい子さん(福島県郡山市)

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冬の静けさに包まれる茶室。炭の香りがほのかに漂い、ふつふつと湯が沸く。茶釜のふたを開ければ、茶の湯の世界が広がる。「子どもたちがお茶に触れるきっかけになれば」。大日本茶道学会茶道教授の服部あい子さん(70)=福島県郡山市=は17年前、子ども向けに指導を始めた。客人をもてなす一期一会に触れてほしい。大切にしてきたのは作法だけではない。礼儀もだ。靴をそろえる、姿勢を伸ばす、あいさつを欠かさない。「日常のふとした瞬間に礼儀が表れる」。目の前の相手を思いやる心を育んできた。






仏教の僧侶が中国から持ち帰ったのが起源とされる茶道。新型コロナ禍の前には教室に通う児童生徒が15人いたが、今では7人。茶道文化の継承に危機感を抱いた。原点回帰の意味も込め、複数の茶席を確保できる寺院での開催を思い立った。7日、有志と共に「師走の茶会」を市内西田町の広度寺[こうどじ]で初めて開く。「お寺の協力のおかげ」と感謝する。






寺の厳かな空間を茶室に見立て、子どもから大人まで一人一人と向き合う。真心の一服をたてる。「『良い茶会だったね』と言われる一日にしたい」