【師走 ひと模様】癒やし届ける手仕事 福島県会津若松市のお守り作家猪俣久美子さん

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【師走 ひと模様】癒やし届ける手仕事 福島県会津若松市のお守り作家猪俣久美子さん

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福島県会津若松市のお守り作家猪俣久美子さん(62)は麻やマコモを使った正月用のしめ縄や花輪作りに忙しい。師走に入り最盛期を迎えた。「手にする人が晴れやかに新年を迎えられるように」。届けたいのは、癒やしのひとときだ。







高校・専門学校で看護を学び、市内の病院に10年ほど看護師として働いた。子育てで離職後、心理カウンセラー資格を取得。悩める人に寄り添ってきた。東日本大震災が起きると、友人の暮らす宮城県石巻市にボランティアとして毎月通った。
公民館などを巡り、被災者と向き合った。カウンセリングの合間に趣味の手芸を教えたのが転機となった。「話すだけでは、ほぐれない心を開いてくれる」。手を動かしながら耳を傾けると相手の口数が増え、表情が和らいだ。8年間の支援で得た学びを糧に、創作に本腰を入れ始めた。







作家に転じて4年。原料の栽培農家と縁が生まれ、作品を好んでくれる人も増えた。13、14の両日は年内最後の体験教室を開く。「年の締めくくりに穏やかな時間を過ごしてほしい」。対話と手仕事の力を信じ、参加者を笑顔にするつもりだ。
13、14の両日の体験教室は、会津若松市の会津町方伝承館で。しめ縄や花輪を作る。事前申し込みを勧めている。お守りの展示販売も同時開催する。時間は午前10時~午後4時30分。問い合わせは猪俣さんへ。