少年の主張全国大会で審査委員長賞 高橋さん(福島市・岳陽中3年) 障害乗り越えた体験発表

  • [エリア] 福島市
少年の主張全国大会で審査委員長賞 高橋さん(福島市・岳陽中3年) 障害乗り越えた体験発表

福島のニュース


11月16日に東京都で開かれた第47回少年の主張全国大会で、「見えないからこそ、見えたこと」と題して発表した福島市の岳陽中3年高橋美衣さん(14)が、障害を乗り越えた体験を述べ審査委員会委員長賞に選ばれた。
高橋さんは4歳の時に交通事故に遭い、左目の視力を失った。周りの同級生らから「目大丈夫?」「目が変じゃない?」などと言われることがあり、その度に「人と違う」という現実を突き付けられたという。
指摘されることのつらさに苦しむ日も決して少なくはなかったが、そんな高橋さんの心を救ったのは母洋子さんに勧められて、4歳から始めたピアノの存在だった。毎日練習に励み、大の得意に。一方で中学生になってから学校で勉強している英語は苦手だった。そんな日々を過ごすうちに「得意、不得意は誰にでもあるもの。左目が見えないからといって私は特別なわけではない」と強く実感したという。
大会本番では「世間では多様性を認める社会に、というけれど、多様性は認めるものではなく、人それぞれにあるもの」と訴えた。
自らの経験や考えを多くの人に知ってもらおうと出場を決め、市大会から全国大会まで、担任の先生と二人三脚で準備を進めてきた。発表後には「感動した」という声や電話をもらい、達成感を感じたという。高橋さんは「今後も自分の思いを広く発信していきたい」と誓った。