福島のニュース
卓越したものづくりの技、地域活性化につながる企業活動をたたえる福島民報社主催「第11回ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)」の受賞者が決まった。県内の企業・団体から65件の応募があり、最高賞の知事賞には郡山市のスペースワン(小林康宏社長)が輝いた。福島民報社賞には福島市のマザーソリューション(斎藤祐子社長)が選ばれた。
受賞者は【表】の通り。知事賞1件、福島民報社賞1件、金賞2件、福島民報社奨励賞2件、銀賞7件、特別賞11件、次代応援賞1件の計25件が選出された。
知事賞に選ばれたスペースワンは水中での作業に活用できるドローンを国内市場に初めて本格導入した。自治体や消防の要請を受け、水中ドローンと操縦士を派遣している。目視が困難な水中にあり、老朽化が顕著なインフラ設備の点検、豪雨などの自然災害への対応に貢献している。
空撮サービスを提供し、空中ドローンによる社会課題の解決にも努めている。人材を育成しようとドローンスクールを開校。全国各地で講習会を開催し、点検・調査業務の担い手を育てている。
福島民報社賞のマザーソリューションは、女性視点で育児の悩みを解決する商品を開発し、インターネットで受注販売している。主力であるオーダーメードの子ども用の安全帯(ハーネス)「4wayキッズリードDX」は累計販売数が2万5千個を超えた。
従業員の多くは子育てや介護に奮闘中だ。一度離職した女性が無理なく社会復帰できる環境づくりに力を入れている。不測の事態に業務を補い合う仕組みの構築を進める。弱視の早期発見・治療を促す啓発活動にも取り組んでいる。
応募者のうち、社会課題に挑む若手経営者らが対象の次代応援賞には、東陽電気工事(西郷)が選ばれた。10万円を贈る。
◇
◇
表彰式は来年2月6日、福島市の民報ビルで行う。■学生金賞
小名浜海星高海洋工学科(いわき)
福島大大黒太郎ゼミ(福島)
学生部門はいわき市の小名浜海星高海洋工学科(鈴木陸斗リーダー)と福島市の福島大大黒太郎ゼミ(宮川蒼平ゼミ長)が最高賞の学生金賞に決まった。
小名浜海星高は県内唯一の水産高校。海洋工学科のグループは海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて取り組んだ。海岸清掃で釣りに使用するルアーを数多く発見した。国内全体で釣り中になくなるルアーの数が多いと推計。水と二酸化炭素で分解される自然に優しい素材「生分解性プラスチック」でルアーを作る取り組みに乗り出した。
福島大大黒太郎ゼミは月1回、飯舘村内のまでいな家で「村民食堂」を運営している。村民が結び付く場をつくる他、東京電力福島第1原発事故からの復興を目指す村の現状を発信している。手作りのおこわ、みそ汁、漬物、一品料理など5品程度を500円で提供している。村内のイベント、兵庫県や台湾にも出店している。
県内の大学、短大、高校などから30件の応募があり、13件が入賞した。

