福島のニュース
神戸大や福島大の研究チームは、東アジアに広く分布するガの一種「エゾスズメ」のさなぎが、呼吸をする穴「気門」から空気を勢いよく吹き出して音を出していることを解き明かした。ヘビが発する「シュー」という音に似ており、鳥などの天敵を威嚇している可能性があるという。
これまで幼虫で気門を使ったり、さなぎが体をこすり合わせたりして音を出す仕組みは確認されていた。ただ、さなぎの状態で気門から空気を出して発音する例は初めてとしている。
神戸大大学院農学研究科の杉浦真治教授らの研究チームは、捕食者を模したピンセットでさなぎを刺激し、音を発する器官を調べた。水中に沈めた結果、音と一緒に腹にある気門から気泡が出ることが分かった。周波数などを分析したところ、ヘビが発する音との類似性がみられた。
福島大からは食農学類の高梨琢磨准教授が参加し、音の解析などに当たった。「ヘビの音をまねして捕食を回避している可能性がある。実際に威嚇音としての効果があるのかなど、研究を進める必要がある」としている。
研究成果が8日、英国の学術誌「Journal
of
Experimental
Biology」に掲載された。

