福島のニュース
自閉症と知的障害がある福島市の女子中学生が描いた絵をデザインしたTシャツが完成し、話題を呼んでいる。売り上げの一部は県内の障害児向け通所施設「放課後等デイサービス」への寄付に役立てられる仕組みだ。企画した市内の企業は通所施設への理解を広げるきっかけにしたいとの思いも込めている。
絵は、ふくしま支援学校中等部2年の阿部天音さん(14)の作品。家族によると、阿部さんは2歳ごろから絵を描くのが好きになり、今も毎日ペンを握る。Tシャツになった絵は10歳ごろの作品で、たくさんの笑顔を表現している。Tシャツは「絵柄がかわいい」「売り上げの一部を子どもたちの活動支援に使っているのがいい」と好評。阿部さんの妹あかりさん(7)=野田小1年=も愛用している。
Tシャツ販売を担う「いろいろアミューズメントサービス」代表の松井健治さん(56)が阿部さんの絵に目を留めたのがきっかけだった。松井さんは、阿部さんの成長を見守ってきた一人。阿部さんの絵を見て、その斬新さに心を奪われた。多くの人に障害への正しい理解を深めてほしいと、今年夏ごろにTシャツとして商品化させた。
同社は、市内で運営する飲食店「HAPPY
HAPPY
CURRY」のカレーを県北地方の放課後等デイサービスに寄付する取り組みを進めており、Tシャツの売り上げの一部をカレーの寄付に役立てていく。松井さんは「(阿部さんの)絵が好きという思いがさらに花開いてほしい」と願う。
県によると、県内の放課後等デイサービスは増加傾向にあり、10月1日時点で330カ所に上るが、認知度不足が課題となっている。阿部さんが通う福島市の「ぴんぽん」で児童発達支援管理責任者を務める渡辺達也さん(60)は「どんな施設か一般に広く知られていない。カレーの寄付はありがたい支援で、Tシャツ販売と共に障害への理解が深まるきっかけになれば心強い」と話している。■「アマゾン」で取り扱い
Tシャツは大手通販サイト「アマゾン」で取り扱っている。白と黒の2種類あり、サイズはS~XLの4サイズ。1着2980円(税込み)。問い合わせはいろいろアミューズメントサービスへ。

