福島のニュース
日本固有の植物と丁寧な製法にこだわったクラフトジンを製造、販売している。福島県川内村から世界品質のブランドを確立し、福島の魅力と価値を正しく世界に届けようと取り組む。
福島大人間発達文化学類卒の大島草太代表(29)が手がけるKokage(こかげ)が運営する。在学中の海外留学で、東京電力福島第1原発事故に伴う福島への偏見の言葉を投げかけられたことが原点にある。県内の豊かな自然を詰め込んだジンを世界に届けることでイメージを刷新したいと考えた。
未利用資源だったカヤの実やクロモジ、ニオイコブシなどの植物を素材に香りを付ける。手間と技術を要し、国内外でも希少な減圧個別蒸溜製法を取ることで、素材ごとに香りを最大限に引き出している。
限定品を含めて6種類を製造した。味わいや香り高さに加え、物語性が国内外から好評を呼び、1年目の売り上げは3千~4千万円を見込む人気ぶりだ。蒸溜所を地域に開かれた施設とし、各種ツアーやPR事業に活用されている。
今後は村の産品を味わえるバーの営業、素材を育てる森づくりなどジンを軸にした事業展開を見込む。大島代表は「福島だからこそ生み出せる価値を信じている。地域の希望につながるよう、新たなものづくりを進めていきたい」と誓う。■メモ▷設
立=2024(令和6)年11月▷代
表=大島草太▷従業員数=社員2人、業務委託3人▷住
所=川内村上川内町分396の2▷連絡先=info@naturadistill.com

