「音楽の聖地」来年末閉店 クラブソニックいわき 建物の老朽化で決断 福島県いわき市

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「音楽の聖地」来年末閉店 クラブソニックいわき 建物の老朽化で決断 福島県いわき市

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福島県いわき市平の中心部にある有名ライブハウス「クラブソニックいわき」が来年12月で閉店する。運営会社ソニックプロジェクトが発表した。数多くのバンドやアイドルが熱演を繰り広げてきた「いわきの音楽の聖地」だったが、築50年を超える建物の老朽化により閉鎖を決断した。同社は「移転の予定は当面ない」としているが、市内の別の場所でのライブハウス運営を模索する意向もにじませている。
2001(平成13)年に平四町目で「いわきソニック」として開業し、2年後に元映画館だった現在の建物に移転した。最大300人収容のフロアと、当時最新の音響・照明設備を備えた。サンボマスターやMAN
WITH

MISSIONなどの著名バンドがツアーを開催。11年にわたり活躍したいわき市のローカルアイドル「アイくるガールズ」の活動拠点にもなった。
老朽化が進行して建物が傷み、頻発する地震を考慮し安全性を確保できないと判断した。イベントの音響・制作業務や市内の飲食店運営、水戸市にある系列のライブハウスの営業は継続する。
地域密着を掲げ、浜通りのアマチュアに発表の場を提供した。音楽イベント「いわき街なかコンサート」実行委員で、バンドを組んでソニックのステージにも立った藁谷佳人さん(48)=いわき市=は「温かいステージを用意してくれるホームグラウンドのような場所。多くのいわきのミュージシャンを育ててくれた」と感謝する。
運営会社社長の関野豊さんは「閉店までの1年、一つ一つのライブや出会いを大事にしたい。感謝の気持ちを込めて最後まで走り抜ける」としている。