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福島県大玉村の三和製作所は、ブロック肉やスライス肉から軟骨や金属の異物を自動的に検出できる装置を開発した。来年3月から大手牛丼チェーンで導入される予定。
12日までに発表した。同社は大手牛丼チェーンから依頼を受け、2020(令和2)年ごろに装置開発を開始。約5年をかけ、エックス線検査装置で撮影した画像を基に、人工知能(AI)が軟骨や異物を検出する仕組みを構築した。
装置では厚さ約10センチのブロック肉から、約1ミリの小さな軟骨を検出できる。東京電力福島第1原発事故の発生後に行った放射線検査装置の開発で培った技術を応用した。
同社によると、食肉の中から小さな軟骨を見つけるためには熟練の技術が必要で、人が習得するまでに長い年月がかかるという。同社は、全国的な食肉加工事業者の担い手不足などの解決につながるとしている。今後は発見した軟骨の除去も自動化できるよう、改良を進める方針。
斎藤雄一郎社長は「食の安心・安全に寄与し、食肉の安定供給にも貢献していきたい」と語った。

