福島県南相馬市の「薬師堂石仏」 周辺から平安初頭の土器片 造形年代を裏付け

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福島県南相馬市の「薬師堂石仏」 周辺から平安初頭の土器片 造形年代を裏付け

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東北最古の摩崖仏とされる、福島県南相馬市小高区泉沢の国史跡「薬師堂石仏」周辺で、平安時代初頭に制作されたとみられる土器の破片が出土した。石仏は造形表現などから平安時代前期に造られたと推定されていたが、発掘調査で考古学の観点から裏付けが得られた。市教委は14日午後1時から現地説明会を開く。
土器の破片は製作技法から、9世紀前期ごろに作られたと推測される。炭と土砂が混ざった黒色土層も見つかり、火を使う仏教儀礼が行われた可能性がある。石仏を保護する建物の柱跡も発掘され、古くから信仰の対象として保護されてきたとみられるという。市教委文化財課の藤木海主任文化財主事は「制作年代の裏付けや、石仏に結びつく仏教文化の痕跡が見つかったことは大きな成果だ」と話した。
本格的な発掘調査は初めて。同市の保存整備事業の一環で、来年1月上旬ごろまで続ける。
現地説明会では市教委の担当者が調査の成果や現状を説明する。