「県南地域の狛犬たち」一冊に 福島県郡山市の渡辺さん自主製作 7年かけ、416対調査

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「県南地域の狛犬たち」一冊に 福島県郡山市の渡辺さん自主製作 7年かけ、416対調査

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福島県の県中、県南地方を中心に神社の狛犬(こまいぬ)を研究している福島県郡山市久留米の渡辺政広さん(88)は集大成となる著作第8弾「県南地域の狛犬たち」を自主製作した。2018(平成30)年から7年間かけ、各地で確認した416対の狛犬を一覧にまとめるなど、「狛犬愛」あふれる一冊を通して魅力を発信する。
第8弾となる著作は県南地域の神社で撮影した狛犬の写真をカラーで掲載した。「狛犬調査表」と題し、各地で調べた狛犬の造立された年代、神社、大きさ、石工、奉納目的などを取りまとめた。調査内容に基づく、独自の考察を記載した。
416対の狛犬で、石工の名前を確認できたのは159人に上った。渡辺さんが個人的に選出した「石工10傑」も紹介している。
渡辺さんは三春町出身、郡山商高卒。大東銀行を定年退職後、郷土の歴史などを調べ、冊子や写真集として著してきた。
福島民報で掲載された随筆「我が山河」で石川町の飛翔獅子が紹介されたのを契機として、狛犬の魅力に引き込まれた。狛犬の保存や観光への活用に取り組む県南地方狛犬ネットワークの会員となった。
自ら車を運転して各地の神社を巡り、狛犬を見つけては夢中でシャッターを切ってきた。「80歳を超してからの挑戦だった。造立の年代は時代背景の影響が色濃く、その造形は一つとして同じものがない」と目を輝かせて魅力を語る。
著作はA4版、254ページ。50冊製作した。希望者には実費で提供する。問い合わせは渡辺さんへ。