福島のニュース
福島県石川町で不動産業を営む中村嘉一さん(68)は、所有するアパートの一部の部屋を民泊として運用し始めた。町内にはビジネスホテルのように比較的安価で泊まれる施設が少なく、町や石川郡周辺に仕事の出張や会合、冠婚葬祭で訪れる人の需要に応えたいとしている。
2階建てアパートの8部屋のうち4部屋を民泊用に改装した。六畳間が2部屋、風呂トイレ別で、キッチンや冷蔵庫、電子レンジ、シャンプーといったアメニティーを備え付けてある。
中村さんのアパートは人口減少などを背景に入居率が減少。一方で、町内の学法石川高に県外から入学した生徒の保護者や、出張で訪れた人が、手軽に宿泊できる場所が町内にないという声を聞いていた。
そんな時、親族の葬式で赴いた都内で偶然、親族の手配したマンション型の民泊を利用した。「石川町にある自分のアパートも民泊として使えれば、潜在的な需要に応えられるのでは」と考え、町商工会などの協力を得て準備を進め、7月に県の許可を受けた。
町商工会によると、集合住宅の民泊は県南地方で初という。担当者は「アパートの空き家が増えており、活用法の一つとしても意義がある」と指摘する。
平日の宿泊費は約6千円を想定。問い合わせや予約は中村さんへ。(県南版)

