第11回ふくしま産業賞 銀賞 ちから寿し(福島県須賀川市) 解凍後も絶品すし飯

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第11回ふくしま産業賞 銀賞 ちから寿し(福島県須賀川市) 解凍後も絶品すし飯

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福島県須賀川市長沼地区ですしを握って約40年がたつ。地域に愛される個人すし店が「冷凍ずし」の製造に挑んだ。いったん冷凍した後、冷蔵庫で解凍してもすし飯のおいしさを損なわない加工技術を開発。すしの文化を一層広く伝えたいと国内外への販路拡大を目指す。
2022(令和4)年に長沼地区が過疎地域に認定され、桑名克己社長(59)は長く店を経営していけるか不安を感じたという。コロナ禍もきっかけとなり、斬新な新商品開発の構想を練り始めた。「冷凍ずし」を思い付き、同年夏に試作品の製造を始めた。
自然解凍専用の商品を作ってみたが、解凍の手間が大きく、コメの食感が損なわれる課題があった。冷蔵庫でネタの鮮度を保ちながら手軽に解凍でき、コメのおいしさを維持できないか試行錯誤を繰り返した。
試作で得た情報を基に県ハイテクプラザにコメの成分調査を依頼した。大手食品メーカー4社とも協議。開店前や業務の合間を見て家族や従業員とともに試食を繰り返した。
日本貿易振興機構福島貿易情報センター(ジェトロ福島)と意見交換し、東南アジアや冷蔵庫解凍が主流のアメリカを主な輸出先として検討している。桑名社長は「すしを海外の食卓で味わってもらうのが夢。過疎地域の企業でも世界に通用すると示したい」と語った。▽設

立=1969(昭和44)年4月▽社

長=桑名克己▽従業員数=10人▽住

所=須賀川市長沼字金町32▽電話番号=0248(67)2623