福島のニュース
交流サイト(SNS)を介して知り合った10~20代の男女5人の自殺を手伝ったなどとして、自殺ほう助などの罪に問われた福島市、無職の男(36)の初公判は17日、地裁郡山支部(下山洋司裁判長)で開かれた。男は未遂も含め4人に対する自殺ほう助罪の起訴内容をおおむね認め、山形県の自殺ほう助罪については「黙秘します」と述べた。いわき市の20代女性に対する窃盗罪は「女性の承諾を受けていた」と否認した。
一連の事件では、いわき市と宮城、山形、埼玉3県の10~20代の男女4人が死亡し、福島県の10代少女1人が未遂となっている。
検察側は冒頭陳述で、男がSNSを通じて自殺を希望する5人と接触し、一部の被害者にロープや練炭、テントなどの道具を準備したと主張した。宮城、埼玉両県の男性には喜多方市まで車で送り届け、練炭自殺をするための準備を見届けたとした。
弁護側は宮城、埼玉両県の男性に対する自殺ほう助罪の成否については積極的に争わない姿勢を示した。「自殺場所に送り届けただけ」と述べた。
被告人質問を行い、検察側と弁護側、裁判官が動機や事件に至る経緯を尋ねた。
次回公判は来年1月30日午前11時30分から、論告求刑、最終弁論を行う。
起訴状などによると、男は、山形、福島両県に昨年5月から今年1月までの間、男女5人を誘い出し、自殺を手伝うなどしたとされる。

