福島のニュース
福島県郡山市の太田西ノ内病院小児科病棟に１７日、一足早い聖夜の贈り物が届いた。「メリークリスマス！」。声の主はバスケットボールのりそなＢリーグ２部（Ｂ２）福島ファイヤーボンズのジャック・ナンジ選手（２６）。赤い帽子をかぶり、２１２センチの長身をかがめながら、乳児から中学生まで２２人のベッドを回った。
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米国から共に来日したゼロ歳の長男が今秋、頭部をけがしたのが交流のきっかけだ。異国での思わぬ事態に焦りが募る。愛息を抱え、妻と夜間救急外来に駆け込んだ。医師や看護師の丁寧で迅速な対応に、動揺していた心がほぐれた。「何か恩返しができないか」と病院側に持ちかけた。
小さな体で病と闘う子どもたちを少しでも元気づけようと、サイン入りのミニボールや動物のぬいぐるみを一人一人に配った。「勇気をもらえた」「退院まで頑張れそう」。パジャマ姿の子どもたちに笑顔が広がった。
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入団１年目の今季はリーグ４位の１試合平均１８．５得点を挙げ、地区で首位を走るチームをけん引している。「次はバスケで喜ばせたい」。コートでは闘志あふれるビッグマンが、優しい父親の表情を浮かべた。