福島のニュース
福島県南相馬市の起業型地域おこし協力隊に、埼玉県出身の吉田尚樹さん(33)が着任した。パソコンで設計して機械で自動加工する楽器作りに挑戦し、新たな産業の構築でまちの活性化につなげる。
吉田さんは北海道大大学院博士課程修了後、企業での研究開発を経て3Dデータを設計する自営業を始めた。一方、旅が好きで東北を巡ることがあり、市内小高区の海沿いの風景に引かれた。福島ロボットテストフィールドを中心に最先端技術が集まっていることや小高の起業家、支援者の熱い思いを知り、研究者としての血が騒いだ。設計にとどまらず実際のものづくりに携わるべく、協力隊員として移住した。
現在は市内小高区の空き家を自宅兼工房に改修している。機械を組み立て、来年夏ごろから自身も趣味で演奏するウクレレやギターの製造を始める予定。持ち運びに特化した大きさの楽器を作る。科学やものづくり、音楽の面白さを伝えるワークショップの開催も検討している。
吉田さんは17日、南相馬市役所で門馬和夫市長から委嘱状を受け「楽器作りを通じて地域を照らせるような活動にしたい」と意気込んだ。(相双版)

