第11回ふくしま産業賞 銀賞 エナジア(福島県郡山市) 車を「移動体電力」へ

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水素を動力源とするFCEV(燃料電池車)を「移動体電力」と位置付け、非常時でも自立して電力を供給できるインフラモデルの構築を目指している。
FCEVは水素と酸素の化学反応で発電した電気によってモーターを回して走る。大きな電力を生み出すため、停電などの際に住宅や事業所の電気を復旧させたり平時でも省エネに活用できたりする。FCEVなどから照明や空調に給電できる「V2X」システムを考案し、福島県内外の事業所や公共施設に導入している。建物で使用するエネルギーを自給自足するZEB化の事業企画などの構想も練る。
創業の契機は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故だった。電力会社の送配電網に頼らず、再エネ由来のエネルギーを個別に自給できる仕組みづくりが必要だと感じた。現在は商用車両に水素を活用する実証事業が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択され、トヨタ自動車や浪江町と共同で取り組んでいる。
白石昇央社長(61)は4月に渡米し、国際会議でこうした官民連携による事業を発表。「持続可能な社会実現のため、再エネや先端技術を組み合わせて挑戦を続ける」と情熱を燃やす。







エナジアは第3回ふくしま産業賞で特別賞を受けた。■メモ▷設

立=2014(平成26)年7月▷社

長=白石昇央▷従業員数=11人▷住

所=郡山市亀田2丁目11の21▷電話番号=024(933)7077