福島のニュース
安積高の生徒は17、18の両日、福島県郡山市の同校で中高一貫教育となって初めて、県立安積中の生徒に対する特別授業を行った。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の課題に理解を深め、中高生が共に復興を考える契機につなげる。
スーパーサイエンスハイスクール事業の一環で「震災復興ワークショップ」に取り組む高校生7人が「先生」となり、講義や実験を行った。中学生約60人が参加した。
初日は高校2年の斎藤壮さんが福島県の復興は道半ばにあるとの認識を示し、「復興に関する議論で自信を持って意見を述べるため、必要な知識を学んでほしい」と呼びかけた。
講義では放射線の性質、放射線の影響は遺伝しないといった事実を紹介。中学生は室内の放射線量を測る実験に取り組んだ。
津波で電源が喪失し、水素爆発が発生した原発事故の原因を説明した。廃炉に向けた課題は山積しており、原発事故は収束していない現状を伝えた。
最終日は原発事故に伴う風評や偏見、復興に向けた取り組みを題材に据えた。県産食品に対する消費者意識の変遷、原発事故に伴う除染で出た除去土壌の再生利用や県外最終処分に向けた理解醸成の困難さを示した。
原発事故に伴う帰還困難区域が依然として残る現状などを解説。復興への貢献や震災と原発事故を伝えるため、一人一人ができることを考える大切さを訴えた。

