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東日本大震災・原子力災害伝承館の語り部となった福島県浪江町出身の高木舞さん(28)=東京都在住=は21日、双葉町の伝承館内で初めて講話した。浪江中1年生で経験した東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災体験を打ち明け、複合災害の記憶と教訓を後世に伝えていく重要性を訴えた。
「浪江に生きる記憶」と題して胸の内を明かした。原発事故を受け仙台市に避難し、市内の中学校に転入した経緯を紹介。転校先では「原発事故は目に見えない分、(苦悩が)伝わりづらいと感じた」。何気ない言葉に心を痛め、浪江の友人に「会いたい」と思い続けていたという。
大学進学を機に上京し、浪江の旧友と再会できた日々も回想した。「(仲間に)会えるということがどれほど尊いかを震災を通して強く感じた」と述べた。
古里の着実な復興を喜ぶ一方、母校など思い出の場所が失われていく複雑な心境も吐露した。それでも、「前に進もうとする浪江町のこれからの姿を見守っていきたい。浪江に足を運んでもらい、今の姿を知ってほしい」と結んだ。
終了後、高木さんは取材に「避難経験を話すのは控えてきたが、今回多くの人が聴いてくれて本当に良かった」と素直な思いを述べた。今後は1~2カ月に一度、講話する意向で「活動を通じて浪江のファンを増やしたい」と決意した。

