「古里の誇り」町民称賛 選手通う理容室店主 元気与えてくれた 福島県石川町

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「古里の誇り」町民称賛 選手通う理容室店主 元気与えてくれた 福島県石川町

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学法石川高男子の全国高校駅伝初制覇から一夜明けた22日、地元の福島県石川町は祝福ムードに包まれた。部員を後押ししてきた町民は「古里の誇り」と快挙を喜び、町役場には優勝を伝える横断幕が登場した。
優勝メンバー7人が通う理容室ヘアーサロンホシの店主星亨[すすむ]さん(63)は1週間前に「気合を入れたい」と、ある選手から普段より短めの注文を受けた。優勝を願いはさみを入れ、黒い鉢巻きが映えるよう前髪を短く仕上げた。共に店を営む妹の山野辺恵さん(57)や母ミイ子さん(83)、妻いづみさん(61)と優勝を喜び合った。星さんは「町に勇気と元気を与えてくれた」と感動に浸った。
陸上競技部OB・OG会事務局長の町職員水野憲一さん(56)は「日本一を目標に活動してきた。夢がかないうれしい」と喜ぶ。全部員を京都に送り出すために寄付を募ってきた。「支えている人の思いがつながった結果」とかみしめた。首藤剛太郎町長は「感動を共有し、街をより明るくしていく」と語った。
鏡石中陸上部で800メートル走に取り組む今泉翔太さん(14)=2年=は1区を走った増子陽太(3年)の後輩に当たる。地元の鳥見山陸上競技場で学法石川高の練習を見ることもあり、刺激を受けている。「将来は学石の陸上部に入り、増子先輩のように活躍したい」と志を立てた。
内堀雅雄知事は22日の定例記者会見で「わくわくしながらレースを拝見した」と述べ、「雨の中(アンカーの)美沢央佑選手が笑顔で堂々とフィニッシュテープを切ったシーンに、声を出してしまうぐらい感動した」と興奮気味に語った。■東洋大の酒井監督
相沢さん、田母神さん
学石OB祝福
快挙をたたえる声は卒業生からも上がっている。
東洋大陸上部の酒井俊幸監督(49)=石川町出身=は「大会新記録を樹立し、1区からの完全優勝を果たされたことに深い感銘を受けています。OBとしてこの素晴らしい成果を大変誇りに思っています」などとするコメントを大学を通して寄せた。
旭化成の相沢晃さん(28)=須賀川市出身=は21日に自身のX(旧ツイッター)で「おめでとう。僕も明日から気合い入れて頑張ろう」と祝福。ⅢF代表の田母神一喜さん(27)=郡山市出身=は「後輩たちが120%の力を出して勝ち切ってくれて本当にうれしい」と声を弾ませた。■ふくしま駅伝
快挙の土台に
福島陸協顧問
安藤敬男さん
福島陸協顧問で石川町の安藤敬男[よしお]さん(92)は22日朝、新聞が届くのを待っていた。「長年の夢だった。こんなにうれしいことはない」。学法石川高の全国高校駅伝優勝を伝える記事を何度も読み返した。県勢初の快挙は「県全体で陸上選手育成に取り組んだ成果」で、土台には自身が創設に関わった市町村対抗県縦断駅伝競走大会(ふくしま駅伝)があると感じている。
1989(平成元)年に県南陸協駅伝部長としてコース設定や宿の確保、関係団体との協力体制づくりなどの基礎を築いた。県民に駅伝に関心を持ってもらうところから出発した。
中高生、大学生、社会人が古里の誇りを胸にタスキをつなぐ大会は東日本大震災やコロナ禍も乗り越え37年間、伝統を紡いできた。世代を超えたレースは走る喜びを多くの人に広め、市町村の切磋琢磨[せっさたくま]を生んだ。その蓄積は五輪選手を含む大勢の名ランナーを輩出し「駅伝王国ふくしま」と呼ばれるまでになった。学法石川高にも経験者が多く進んでいる。
安藤さんは大会の経験者が成長し、やがて指導者として次世代を育てる。この好循環を県全域で重ねた結果が、学法石川の活躍の背景にあるとみており、「ふくしま駅伝を走った選手が高校、大学、社会人と舞台を移し、飛躍する姿を見るのが何よりもうれしい」と語る。来年1月の箱根駅伝や都道府県対抗駅伝にも期待したいとした上で「県民に明るい話題を届けてほしい。応援する側が一番楽しませてもらっている」と目を細めた。■オンライン新聞
写真グラフ掲載
民報社
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