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環境に調和し、景観上優れた建築物をたたえる第41回福島県建築文化賞の入賞作品が決まった。最高賞の正賞に大熊町の「学び舎[や]ゆめの森」が輝いた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による避難指示解除後、町が認定こども園と義務教育学校を一体的に整備した施設で、「わくわく本のひろば」を中心に開放的で多様な学習空間が有機的につながり、伸びやかな雰囲気を生み出している点が高い評価を受けた。表彰式は来年2月5日午前11時から、福島市の杉妻会館で行われる。
正賞に加え、【下記】の通り準賞に1点、優秀賞に3点、特別部門賞に3点、復興賞に3点の計11点を選んだ。
学び舎ゆめの森は、大熊町の震災と原発事故からの復興を象徴する施設。「学年やクラス編成を超えて0~15歳が共に遊び、学ぶ」という教育理念を込めて建築した。ワークショップを通じて利用者と設計者が目標を共有し、これまでにない教育環境を実現した。2022(令和4)年春に義務教育学校が避難先の会津若松市で開校。2023年夏に大熊町内で整備を進めていた新校舎が完成し2学期から利用を開始した。当初と比べ児童・生徒数は大幅に増加。地域に新たな居住を呼び込む存在にもなっており、まちづくりの基盤として建築と教育の大きな可能性を示している。
大熊町が建築主で、アーキシップ・鈴木弘人設計共同企業体が設計を手がけた。施工は大成建設東北支店(仙台市)。鉄骨造り・一部鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積は8153平方メートル。所在地は大熊町大川原南平2019の1。
県建築文化賞は福島民報社と県、県建設業協会、県建築士会が主催している。震災と原発事故のため2年間中断し、2013(平成25)年に再開した。今回は2018年4月1日から2024年3月31日までに完成し、受け付け時点で満1年以上使われている建築物を対象とした。公共建築物21点、民間建築物18点の計39点の応募があった。■歴代受賞施設
県、周遊観光展開へ
県はダムや橋などを見て回る「インフラツーリズム」の推進に向けて今年度、県建築文化賞の歴代受賞施設を軸にした周遊・滞在型観光の展開に乗り出した。第1弾として浜通り、中通り、会津の3地方ごとのモデルコースを10月29日に発表した。来年春には大型観光企画ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)が控えており、多彩な観光が県内で楽しめることをPRし誘客と交流人口増につなげたい考えだ。■地域に親しまれる学びやに育てたい
大熊町長・吉田淳氏
仕切りの少ない開放的な空間で、0歳から15歳までの子どもたちが共に学び、遊び、成長する、町の教育理念を体現した校舎だ。地域に親しまれ、愛される学びやに育てていきたい。■円環状のデザイン
濃密な議論で構想
アーキシップスタジオ・飯田善彦氏
図書ひろばを中心にさまざまな領域が円環状に取り巻くデザインは町教委との濃密な議論を経て構想され、極めて高度な施工技術が実現した。全ての方々の力の結晶と誇りだ。【受賞作品】
※優秀賞、特別部門賞、復興賞は五十音順■正
賞・学び舎ゆめの森(大熊)■準
賞・南相馬市民プール(南相馬)■優秀賞・会津柳津駅舎情報発信交流施設(柳津)・相馬小高神社社務所(南相馬)・東光寺「客殿」(福島)■特別部門賞・AQURIO(アクリオ、郡山)・松本養蜂総本場本店
Bouti
quedelmiele(会津若松)・林業アカデミーふくしま(郡山)■復興賞・浅野撚糸双葉事業所フタバスーパーゼロミル・エアーかおる双葉丸(双葉)・haccoba
浪江醸造所(浪江)・双葉町役場(双葉)

