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福島県やJAなどでつくる県水田農業産地づくり対策等推進会議は、県内の2026(令和8)年産主食用米の作付面積目安を2025年実績と同規模の6万7千ヘクタールとし25日、発表した。2025年産米は米価高騰などを背景に農家の生産意欲が高まり、目安とした5万6500ヘクタールを1万500ヘクタール上回り、収穫量は約38万トンとなった。農家の所得確保の観点などを重視し、前年実績に応じた目安を設定するのが適当と判断した。ただ、米価高騰で消費が落ち込み、生産過剰になるのを懸念する声も上がっている。
推進会議が福島市のJA福島ビルで開いた説明会で示した。
檜枝岐村を除き水稲栽培実績のある県内58市町村の2025年産作付面積の実績と2026年産目安は【表】の通り。2025年産実績と比べ17市町村が同等、41市町村が減らした。東京電力福島第1原発事故の被災12市町村は営農再開を見込んで「被災地留保」として300ヘクタールを増やす一方、過剰生産を防ぐため他の市町村で同じ面積を減らした。
石破政権下の今年4月、政府は食料・農業・農村基本計画を閣議決定した。2023年産実績で791万トンだった国内生産量を2030年産で818万トンにすると明記した。高市政権は「需要と供給のバランス」を強調し、増産方針を事実上撤回したとの見方もあるが、推進会議は「『需要に応じたコメ生産の維持・拡大』を進めると解釈できる」(県水田畑作課)と判断し、作付面積目安の規模を維持した。
2025年産は米価高騰を背景に全国で増産となった。県内も作付面積目安を1万500ヘクタール上回り、都道府県別で最も増加幅が大きかった。また、これまでは飼料用米を県産米の需給調整の柱に位置付けていたが、政府が交付金水準を見直したため生産者の収入が減っている。このため、主食用から飼料用への生産転換をしにくくなっているのが実情だ。今回の作付面積目安の維持には、農家の所得を確保する狙いもあるとみられる。
農林水産省は2026年産の作付けに向け、全国の意向調査を実施する。2025年産は1月末、4月末、6月末の各時点での県内58市町村の調査結果を発表した。
今回示された2026年産の作付面積目安に拘束力はない。生産者が実際にどの程度作付けするか注目される。推進会議の事務局を務める県水田畑作課の佐藤周課長は「農家が意欲を持って生産できる体制づくりに引き続き取り組んでいく」としている。※市町村の面積の合計値は計算上の差異により小計と県計と一致しない。※水田のない檜枝岐村は除く。※2026年産目安には政府備蓄米販売見込みも含んでいる。

