福島のニュース
福島県内の一部のコメ卸、小売店で新米の値下げの動きが出ている。店頭価格の高止まりで消費者の手が伸びにくくなり、販売側は高く仕入れたコメを値引きせざるを得なくなりつつある。
「在庫過多が続いている」。二本松市の米穀店「樽井商店」の社長樽井功さん(69)は、値下がりの動きに不安を募らせる。
今秋は約1800トン(3万俵)を集荷したが、取引先の動きは鈍い。この時期のひと月当たりの出荷は前年の半分の3500俵程度にとどまる。米穀安定供給確保支援機構は向こう3カ月のコメ価格は値下がりすると見通しており、小売価格が下がれば経営に響く。「暴落を防ぐ手だてを打ち出してほしい」と国に注文する。
いわき市などでスーパーを展開するマルトは、週1回程度の特売日を設け、周辺の店より安く販売している。特売日でも銘柄米は5キロ4千円(税込み)を超える。仕入れ担当者は「仕入れ値を考えるとこれ以上は難しい。利益はほとんどない状態だ」とする。
消費者は値下げを歓迎する。矢吹町に住む須藤優子さん(40)は夫と小学生の息子の3人暮らしで月の食費は6万円ほど。コメ価格は「5キロ3千円台に落ち着いてもらいたい」と願う。
一部農家は来春の作付け準備に入り、価格変動を踏まえ生産量を調整するのは難しい場合もある。喜多方市の農家渡部孝雄さん(75)は「状況を見ながら慎重に見定めたい」と話した。

