福島県代表・聖光 成長証明、花園1勝 昨年「0―112」涙の完敗 自律の精神原動力

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福島県代表・聖光 成長証明、花園1勝 昨年「0―112」涙の完敗 自律の精神原動力

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1点差でかわした劇的な幕切れだった。28日の全国高校ラグビー大会1回戦。福島県代表の聖光学院は3度目の出場で初勝利をつかみ、県勢として長らく遠ざかっていた初戦の壁をこじ開けた。昨年の1回戦は強豪・京都工学院(京都)に0―112で完敗。その屈辱を晴らすかのように、聖地で躍動した。チーム内で培ってきた「凡事徹底」「自律」の精神は接戦をもぎ取る原動力になった。
試合終了目前。近大和歌山(和歌山)のコンバージョンキックが決まれば逆転負けの窮地だった。ゴールを外れ、ノーサイドの笛が響いた。「よっしゃーーー!」。聖光学院のフィフティーンが仲間と抱き合い、目標とした「花園1勝」の喜びを分かち合った。
昨年の悔しさを経験したメンバーが先発の半数以上を占める。あれから1年をかけ、心身ともにチームの成熟度を高めてきた。スクラムハーフの遠藤慧史主将(2年)は「昨年は花園出場までが目標。全国とのレベルの差を実感できた」と大敗を前向きに捉える。
大舞台に圧倒された1年前の姿はもう、なかった。前半5分に先制するなど、序盤から持ち前の「展開ラグビー」を発揮。ピッチの左右にボールを素早く散らし、相手守備のほころびを突いて前進した。
防戦を強いられた終盤も、簡単にはディフェンスラインを崩されない。監督で元日本代表の宇佐美和彦さん(33)は「選手が自ら考えてプレーしていた」と成長ぶりを実感する。4月にコーチから監督に就任して以来、普段の生活から時間の厳守や後片付けなどの徹底を促した。大事な局面を確実にものにする姿勢を身に付けてほしかったからだ。
練習では、全国レベルの視点で議論し合い、高め合う雰囲気を大切にする。全体練習を2時間に抑える分、各自が足りない部分と向き合い、補う時間をつくってきた。
聖光学院は1、2年生が主軸の若いチームだけに、2トライを挙げたウイングの井出聖弥(2年)は「自分たちは挑戦者。新しい歴史を刻みたい」と気負いはない。次は2連勝で新年を迎える「正月ラグビー」を目指す。■熱い声援スタンド包む
保護者、関西県人会員ら
スタンドには保護者や学校関係者、関西県人会員ら約100人が詰めかけ、聖光学院の選手たちに熱い声援を送った。
観戦した県ラグビー協会の佐々木彰会長(61)は8年ぶりの県勢勝利に「県内では競技人口、出場校が減る中でも、全国と十分に渡り合える力を見せてくれた」と健闘をたたえた。
聖光学院の新井秀理事長兼校長(80)は初勝利の吉報を受け「県民の応援に感謝したい。2回戦でも全力で相手にぶつかってきてほしい」とエールを送った。