4千羽が飛来? 駅前カラスに福島県郡山市苦慮 ライト追い払いや巡回など対策次々

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4千羽が飛来? 駅前カラスに福島県郡山市苦慮 ライト追い払いや巡回など対策次々

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福島県郡山市がJR郡山駅前に群がるカラス対策に苦慮している。警戒時の鳴き声を再現する装置を西口駅前広場に設置。周辺への飛来数が減るなどの効果を得た一方、ねぐらが分散したとの見方もある。ふんや鳴き声への苦情を受けて今秋から発光ダイオード(LED)ライトによる追い払いの頻度を増やし、ごみの適正管理など官民を挙げた対策を進めるが、4千羽とも推測される大群を減らす道筋は描けていない。■大群減へは道遠く
23日午後6時過ぎの郡山駅周辺。甲高い鳴き声が響く繁華街を、委託業者がLEDライトや可搬式の音声装置を手に巡った。電柱や街路樹の下に大量のふんが落ちた所も。「あの木に十数羽いる」「ライトを当てても逃げない」。2人一組でロータリーや商業施設などを練り歩き、樹上にライトを当てた。
巡回はふん害による景観悪化や騒音への苦情を受けて、音声装置の設置と合わせて2023(令和5)年度に始めた。街路樹の枝も定期的に切り、専門業者に効果検証を依頼した。飛来数が一定数減る効果を目視で確認した一方、群れの一部がビル屋上や東西連絡自由通路の屋根にねぐらを移す傾向も浮かび上がった。
市は今年度の対策費として前年度を約100万円上回る297万円を確保。飛来が増える9月~翌年3月に行ってきた追い払いを週3日から毎日に増やした。
大群が居座る一因は、餌となるごみの存在だ。市民1人1日当たりのごみ排出量は2023年度に1102グラムと、62中核市で4年連続最も多い。市はごみの散乱を防ぐため、12月中旬に集積所管理の手引を作成。「収集日の午前6~8時に出す」「水分をよく切り、外から見えないよう捨てる」などの留意点を呼びかけた。
住民側もごみ問題への意識を高めている。郡山中央町内会連合会長の鈴木光二さん(84)=市自治会連合会長=は駅前アーケードなどでごみが荒らされ、景観を損ねるとの訴えが近隣の町内会から寄せられていると指摘。「路上に広がれば車の通行を妨げる」と頭を悩ます。市内の会社員横井小百合さん(62)は約1年前から集積所でカラスを見る機会が増えた。可燃ごみの収集日は悪臭が漂うこともあるという。「ごみ収集の時間を改めて周知してほしい」と注文する。
市は被害に悩む都市による合同要望に参加。今年は12市で生息状況や被害の把握、被害対策の立案などを環境省に求めた。園芸畜産振興課の結城弘勝課長はふん害や騒音など公衆衛生上の問題に加え、観光客の印象悪化を招くとして「複数の対策を組み合わせて減少につなげたい」と話す。■専門家
居心地よくしない工夫を
カラス対策に詳しい宇都宮大発ベンチャー企業「CrowLab(クロウラボ、宇都宮市)」として郡山市の音声装置導入などに携わる塚原直樹さん(46)=宇都宮大バイオサイエンス教育研究センター特任助教、動物行動学=によると、郡山駅周辺には3千~4千羽のカラスが飛来している可能性がある。
塚原さんによると、駅のホームは風雪をしのげる。ビルなどの構造物が密集する市街地は群れの中で目印となるため、カラスがねぐらに選びやすいという。夜も明るくフクロウなどの天敵から身を守る利点もある。冬場は自然界の餌は減るため、生ごみなど人間の生活から出る餌を抑えて個体数を減らすのが理想と指摘。「執着が強いカラスにとって居心地よい空間にしない工夫が必要」としている。