カズ 福島U加入決定 「新たな歴史築きましょう」

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カズ 福島U加入決定 「新たな歴史築きましょう」

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サッカーJ3福島ユナイテッドFC(福島U)は30日、「カズ」の愛称で親しまれる元日本代表FW三浦知良(58)が期限付き移籍で加入すると発表した。来季J2に降格する保有元の横浜FCからの期限付き移籍で、契約期間は来年6月30日まで。三浦がJリーグクラブでプレーするのは横浜FC時代の2021(令和3)年以来となる。
三浦は「新たな歴史を一緒に築いていきましょう!」とコメントした。
静岡県出身。15歳でブラジルに渡り、強豪のサントスFCなどで活躍した。Jリーグが幕を開けた1993(平成5)年にヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)でリーグの初代最優秀選手に輝いた。日本代表では国際Aマッチ89試合に出場し、55点を挙げた。
プロ40年目を迎えた今年は、期限付き移籍先の日本フットボールリーグ(JFL)のアトレチコ鈴鹿でプレー。チームの地域リーグへの降格に伴い去就が注目される中、福島Uをはじめ複数のオファーから新たな所属先を検討していた。
福島Uは昨季のJ3で20チーム中10位。秋春制へのシーズン移行を控える来年は2~6月に特別大会「百年構想リーグ」を戦う。J2・J3の地域リーグラウンドで東B組に所属する。
三浦は1月9日に記者会見に臨み、10日以降にチームに合流予定。
■三浦知良のコメント全文
このたび、福島ユナイテッドFCへの移籍が決まり、新たなチャレンジを迎えることとなりました。
まず、福島ユナイテッドFCに所属する選手、スタッフ、ファン、サポーター、パートナー企業、地域のみなさまに対し、チームに貢献できるよう全力でプレーすることをお約束いたします。
サッカーに対する情熱は、年齢を重ねても変わることはありません。
福島でプレーする機会をいただけたことに深く感謝すると共に、福島ユナイテッドFCの一員として熱く戦います。みんなで新たな歴史を一緒に築いていきましょう!
■58歳カズ福島U加入決定
キングの魂
福島熱く
サッカー元日本代表でFW三浦知良(58)のJ3福島ユナイテッドFC(福島U)入りが発表された30日、県内からは「キング」の加入を歓迎する声が上がった。日本サッカー界で一時代を築いた男は抜群の知名度と唯一無二の経歴を誇る。集客力の向上やプロ意識の浸透など、J2を目指す集団に有形無形の貢献が期待される。福島県復興に寄り添ってきた横顔も持つ。サポーターは「競技と向き合う姿勢を伝えてほしい」と合流を心待ちにする。
静岡県出身の三浦は1982(昭和57)年に静岡学園高を中退し、ブラジルに留学。4年後に「王様」ペレさんも在籍した強豪サントスFCとプロ契約した。1990(平成2)年に帰国後は読売クラブに入り、日本代表に初選出された。1993年開幕のJリーグでヴェルディ川崎を初代王者に導き、最優秀選手に輝いた。ゴール後の「カズダンス」でも人気を博した。J1通算で326試合出場、歴代8位の139得点。1994年ワールドカップ(W杯)米国大会を逃したアジア最終予選では「ドーハの悲劇」を経験した。イタリア1部のジェノアに移籍し、欧州挑戦の扉を開いた。
■唯一無二「姿勢伝えて」
福島Uは2014年にJ3に参入。昨季は就任2季目の寺田周平監督(50)の下、パスを主体とする攻撃的戦術を掲げ、20チーム中10位だった。コールリーダーを務める福島市の会社員佐藤祥樹さん(36)は「実績があるとはいえ、出場を確約された契約ではないはず」とチーム内での立場を推し量った上で「背中で仲間を引っ張り、果敢にゴールを狙ってほしい」と奮闘を期待した。
昨季のホーム戦19試合の総入場者数は前年から1万人以上、1試合平均は500人以上増え過去最多としたが、リーグ内で下位にとどまる。三浦が在籍する半年間は昇降格のない特別大会「百年構想リーグ」と重なり、いわきFCなどJ2勢とも当たる。スターの加入でクラブの注目度もより高まるはずだ。福島市の馬場雄基市長は「サッカーを通して福島を盛り上げてくれることを期待している」とのコメントを発表した。
三浦は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後、サッカー教室や学校訪問を通して県民を励ましてきた。浜通りの小学校などの教壇に立ち、ベテランとなっても現役を続ける思いとともに「夢や目標に向かって努力する大切さ」を次世代に訴えてきた。
■「盛り上げ」期待
2012年に横浜FCが福島市で開いたサッカー教室では左肩付近の張りのため、あいさつだけの予定だったが「子どもたちを見たら熱くなった」と急きょミニゲームに加わった。県サッカー協会長の青田由広さん(70)=相馬市=は「県内サッカー界が盛り上がる。福島への思いを持ち続けて子どもたちの指導にも携わってほしい」と求めた。
原発事故収束の前線基地となったJヴィレッジ(楢葉・広野町)にも度々足を運んだ。施設再開前の2017年には「再開後は大勢のサッカー選手とこの地域を盛り上げたい」と語り、県内の児童に技術とエールを伝えた。当時を知るJヴィレッジ企画総務グループ長の明石重周さん(47)は「県民のサインや写真の求めに丁寧に応じていた。肩車までして子どもとふれあう姿に復興への思いの強さを感じた」と振り返った。