福島のニュース
東日本大震災からの復興を願う日本フィルハーモニー交響楽団(日フィル)のコンサート「東北の夢プロジェクトin東京」は7日、東京・池袋の東京芸術劇場で開かれた。福島県合唱連盟県南支部「合唱塾」のメンバーらが出演し、東北地方の音楽や伝統文化の魅力を観衆に伝えた。
日フィルの主催、福島民報社などの共催。プロジェクトは復興を後押ししようと2019年に始まった。福島、岩手の両県でコンサートを開いてきたが、発災から15年の節目により広く地域の魅力を発信しようと都内で初開催した。
永峰大輔さんが指揮者を務めた。第1部はシュトラウスⅡ世の「喜歌劇《こうもり》序曲」、ラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」を演奏した。第2部で合唱塾の中学生から70代までの約110人が登場し、思いのこもった歌声を観客の心に届けた。岩手県大船渡市の赤沢芸能保存会が民俗芸能「赤[あか]沢[さわ]鎧[よろい]剣[けん]舞[ばい]」を披露した。
第3部で日フィルと合唱塾が共演。震災と東京電力福島第1原発事故をきっかけに生まれた合唱曲「群青」などを演奏した。楽器の音色と歌声が重なり合い、豊かなハーモニーが生まれた。
終演後、合唱塾の佐々木美香さん(日大東北高2年)は「幸せな気持ちでいっぱい。音楽を通して頑張っている姿や復興に携わっている姿を伝えられた」と笑顔を見せた。小針智意子音楽監督は「ほぼ満席の会場で、今まで積み重ねたものを発揮でき、よい演奏だった。今後も頑張る子どもたちを支援してほしい」と語った。■芸術通した復興語る
福島、岩手の関係者
公演前にパネルトーク
コンサートを前に会場でパネルトークが行われた。日本フィルハーモニー交響楽団(日フィル)、出演団体が本拠地を置く福島、岩手両県の関係者が文化芸術を通した復興について語り合った。
日フィルの平井俊邦会長、福島県の紺野香里文化スポーツ局長、福島民報社の芳見弘一社長、岩手県の菊池芳彦文化スポーツ部長、岩手日報社の川村公司社長が登壇し、駿河大の船場ひさお教授が進行した。
日フィルは岩手県と2023(令和5)年に連携協定、福島県と翌年に包括連携協定を結び、東日本大震災からの復興支援や音楽教育の推進などに取り組んでいる。紺野局長は「プロの演奏を直接聞く機会は限られている。子どもたちは楽団員の指導を余すところなく吸収しようという意欲に燃えており、その化学反応は何物にも代え難い」と感謝した。
芳見社長は「インフラの復興は進んでいるが、心の復興では多くの課題が残っている。音楽による支援は心の復興のシンボル。日フィルの取り組みにこれからも一生懸命、伴走していきたい」と決意を示した。
会場には両県の復興の歩みや地域の魅力を紹介するブースが設けられた。

