福島のニュース
20日に東京電力福島第1原発事故後、東電の原発で初めて再稼働する見込みの柏崎刈羽原発(新潟県)が8日、福島県の報道陣に公開された。原発事故を教訓にした津波対策などが講じられた一方、IDの不正使用など不祥事が相次いだこともあり、地元住民らの信頼回復は道半ばとなっている。東電への信頼の失墜は福島県復興への影響も与えかねない。稲垣武之所長は「理解醸成と安全向上の実現に終わりはない」と不断の取り組みを続ける考えを示した。
東電は再稼働予定の柏崎刈羽原発の6号機について設備の最終チェックに当たる「使用前確認」を原子力規制委に申請している。問題がなければ、原子炉を稼働させる。既に核燃料が装填[そうてん]済みで、8日は原子炉建屋内で作業員が保守作業に当たった。
東電は福島第1原発事故を踏まえ、新基準に合わせた重大事故対策を講じてきた。5、6、7号機の周辺に、想定される津波より高い海抜15メートルの防潮堤を整備。原子炉建屋に非常用電源を守る水密扉を設置した。電源喪失を念頭に、発電できる車両などを高台に待機させている。万が一電源が喪失してもポンプを回し、原子炉に注水できるシステムを導入。海水による冷却設備を積んだ車両も配備している。
ただ、柏崎刈羽原発では近年、社員のIDカードの不正使用による中央制御室侵入の発覚、テロ対策の文書の管理不備の指摘など関係者の安全意識が疑問視されるケースが相次いだ。生体認証の導入や、秘密文書を扱う際に2人一組とする仕組みなどを講じているが地元住民の再稼働に対する懸念は消えない。昨年11月の新潟県の県民調査で、再稼働の容認50%、反対47%と意見は二分している。
福島第1原発の復旧に携わった稲垣所長は「非常に厳しい経験を忘れたことはない」とし、事故を教訓にした作業員の安全意識向上を徹底する考えを示した。

