福島のニュース
10日に東京・MUFGスタジアム(国立競技場)で行われる第104回全国高校サッカー選手権準決勝に臨む福島県代表の尚志(郡山市)。昨夏の全国高校総体(インターハイ)準決勝で敗れた神村学園(鹿児島県代表)への雪辱を狙う。前回対戦では真骨頂のパスサッカーを封じられ、体格差も痛感。J3福島ユナイテッドFC(福島U)の練習を参考に基本技術を見直し、食事面の改善でフィジカルを強化した。主将のDF西村圭人(3年)は「憧れの舞台で自分たちのサッカーを見せて勝つ」と、第97回大会以来7年ぶりの大一番に闘志を燃やす。勝てば県勢初の決勝だ。
尚志イレブンは8日、寒風が吹き抜けるJヴィレッジ(楢葉・広野町)での合宿最終日に臨んだ。ウオーミングアップの和やかな雰囲気は、実戦形式の練習に入ると一変した。控え選手を神村学園に仮想。相手が強みとする両サイドからのクロスに対するクリアや、セットプレーでの連係などを入念に確認した。
神村学園は昨夏のインターハイで初優勝し、冬の選手権で2冠を狙う。尚志が復帰を逃した高校年代最高峰「高円宮杯U―18プレミアリーグ」では西地区5位。J2いわきFCに加入するDF中野陽斗ら、Jリーグクラブ内定の3選手を擁する。今大会は2回戦からの3試合で14得点1失点と攻守に高いレベルを誇る。
尚志はインターハイ準決勝で神村学園の技術や身体能力、厳しいプレスに圧倒され、伝統のパスサッカーが鳴りを潜めた。仲村浩二監督は「(1―2の)点差以上に相当な差を感じた」と振り返る。辛酸をなめたあの日から、冬の選手権での再戦を望み、リベンジを思い描いてきた。■福島U参考に基本技術磨く
神村学園との平均体重差約3キロを埋めるため、おにぎりやプロテインなどの摂取量を増やし、筋力トレーニングなどを重ね、相手に当たり負けしない体をつくった。ボールを止める、蹴るなど基本技術を大事にする福島Uの練習を取り入れた。守備の強度と攻撃の精度が勝敗を分ける。一つ一つのプレーの細部にこだわってきた。
ともに攻撃的なスタイルが持ち味の両校。尚志は4試合で10得点1失点と負けていない。尚志の守備陣が神村学園の前線からのプレスをはがして自陣から攻撃の起点をつくり、ボール支配率で上回れるか、ゴール前でのプレーの精度を高めて決定機を物にできるかが鍵となる。指揮官は相手守備陣の裏への抜け出しやロングスローを武器とするFW根木翔大(3年)をキーマンに挙げる。根木は「自分たちの攻撃力で相手守備を崩せないことはない。磨いてきたパスサッカーがどれだけ通用するか楽しみ」と自信をのぞかせる。
攻守の切り替えが早い相手に対して守備の最終ラインとGKの距離感、バランスも重要だ。要となるセンターバックの西村は、インターハイの神村学園戦で後半終盤に負傷交代。チームは追加タイムで決勝点を許した。ベンチから敗戦を目の当たりにした悔しさが忘れられない。「最後までピッチに立ち、無失点で封じたい」と堅守を誓う。■合宿終えた選手激励
Jヴィレッジ従業員
Jヴィレッジは昨年12月から3度にわたり、尚志に合宿の場を提供してきた。従業員は8日午後、バスで首都圏に出発した選手らを玄関先で見送った。尚志のエンブレムが入った旗を振り、「行ってらっしゃい」「頑張れ」と激励の言葉を贈った。
企画総務グループ長の明石重周さん(47)は「県内チームの全国での活躍は喜ばしい。インターハイでかなわなかった相手を超えてほしい」と期待した。■内堀知事が現地応援へ
内堀雅雄知事は10日、県勢初の決勝進出を目指す尚志の選手を応援するため、準決勝の神村学園戦を国立競技場で観戦する。県が8日、発表した。公務で尚志の応援に出向くのは昨夏のインターハイ準決勝(Jヴィレッジ)の神村学園戦以来。
10日は尚志の応援席で椎根健雄郡山市長や学校関係者らとともに声援を送り、イレブンを鼓舞する。

