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福島県の郡山地方広域消防組合は情報通信技術(ICT)を活用した救急支援システムの運用を13日に始める。同様の取り組みは福島県内の消防本部では初めて。救急隊員が現場で把握した患者の状態や症状、保険情報などを搬送先の病院にデータで伝達する。迅速・正確な情報共有による救命率の向上が期待される。9日、消防本部で実演を披露した。
救急搬送へのICT活用は総務省消防庁が各消防機関に推進しており、全国的に広がっている。郡山広域消防組合は高齢化やコロナ禍による救急需要の高まりなどを受け、搬送の迅速化と効率化を目的に取り入れた。システムのアプリケーションを入れたタブレット端末とスマートフォンを救急車全18台に配備する。
新システムでは傷病の状態や脈拍、血圧など患者の情報に加え、やけどやけいれんなどの症状が分かる画像や動画を撮影、送信できる。病院は到着前から情報を受け取り、医師のサインをタブレット端末で記入できる。電話や到着後の引き継ぎの労力を省け、聞き間違いも防げる。千葉県などの先進地では受け入れ準備に要する時間が2分~5分ほど短縮されたという。
従来の救急活動では、隊員が現場の患者情報を手書きでメモし、病院に電話で伝えていた。車内で傷病者カードを記入し、病院到着後に医師への引き継ぎやサインが必要だった。
9日は救急隊員が患者役の職員に症状などを聞き取り、別の隊員がタブレットに情報を入力する流れを実演した。現在は受け入れを依頼する11病院のうち4病院がシステムに対応しており、順次増える見込み。消防本部消防課の野口悟救急係長は「システムが定着するまで時間はかかるが、救急活動の迅速化を図り住民の安心、安全を守りたい」と話した。

