福島のニュース
看板業などを手がける福島市のアクアデザインは13日、国見町産アンズなどを原料とした6次化商品の初の販売店を市内飯坂町に構える。本業の傍ら、福島県の基幹産業を守りたいと農業に参入し、国見町で100年続くアンズ栽培を受け継いで5年。観光客が多く訪れる温泉街で希少な国産アンズのおいしさを多くの人に伝え、街と里山をつなぐ拠点を目指す。
新店舗の名前は「―アクア農園のお店―アクアシロップ」。アンズやリンゴ、イチゴのシロップを炭酸やミルクなどで割ったジュース、シロップをかけたソフトクリームなどを味わえる。ジャムやグラノーラ、エゴマ煎餅なども並び、初日は新商品のセミドライフルーツ「あんずと塩こんぶ」を発売する。試食を豊富に取りそろえる。
2007(平成19)年設立のアクアデザインは看板業を主力としてきた。果樹やコメを栽培する飯坂の専業農家で生まれ育った佐藤玲子専務(54)は約10年前、後継者がおらずに伐採された実家のモモの木から樹液があふれ出る光景を目にした。「木々が涙を流しているようだった」。里山を次世代に継承するとの思いを強くし、異業種への挑戦を決意。「アクア農園」と銘打ち、2020(令和2)年に実家のサクランボ生産を引き継いだ。
アンズ栽培を始めたのは農業参入翌年の2021年。継承に困っていた国見町の佐藤昭七さん(93)の畑を引き継いだ。90年を超える大木を含む150本超が並ぶ畑で、特有の栽培方法に四苦八苦しながら自然と向き合ってきた。
豊かな果樹を通年で味わってもらうために食品加工業も始め、道の駅やECサイトなどで6次化商品を販売してきた。多くの人が農業や里山を知る場をつくろうと、加工場のある飯坂への店舗開設を決めた。
佐藤専務は、県内でもなかなか知られていなかった国見町のアンズの認知度が徐々に広がってきたと感じている。「多くの人とのつながりを大切に魅力をさらに広めたい」と決意する。
店舗の住所は福島市飯坂町字笠松11の5。営業日は水、金、土曜日で時間は午前10時から午後3時まで。インスタグラムなど店舗の交流サイト(SNS)で最新情報を発信している。新商品「あんずと塩こんぶ」は1袋480円(税込み)。問い合わせはアクアデザインへ。

