福島のニュース
「入団が決まり、興奮している」「新たなゴールを挙げ、福島の皆さんと喜びを分かち合いたい」。サッカー元日本代表のFW三浦知良[かずよし](58)が福島ユナイテッドFC(福島U)の一員としてJリーグの舞台に立つ高鳴りを口にした。日本サッカー界で「キング」と称される第一人者も現役41年目、2月で59歳。オフは自主キャンプで調整に励んだ。2月からの「百年構想リーグ」に向けて「ゴールやアシストなど自分の仕事に没頭して活躍したい」と約束し、復興への貢献にも「皆と関わりたい」と意欲を示した。入団会見の主なやりとりは次の通り。■「左サイド駆け上がる」
―福島Uへの移籍を決めた経緯や決断時の思いは。
「チーム(アトレチコ鈴鹿)が昇格しない限り、Jリーグに戻れないと思っていた。そんな中で話をいただき、『Jでプレーしてみたい』気持ちが膨らんだ。関係者の熱い思いやチームのコンセプト、やっているサッカー、練習環境など全てが他のチームより上回っていたと自分で判断した」
―福島Uの印象は。
「何試合か見させていただいた。細かいパスを重ねて中央からどんどん攻めるイメージが強い。面白いサッカーだと思った」
―プレーへの情熱は。
「やればやるほど増してくる。年を重ねて(2月で)59歳になるけど、情熱は増しているんじゃないか」
―J3は日本フットボールリーグ(JFL)よりレベルが高い。不安は。
「昨季はけがが多く、試合に関わる時間もすごく短かった。(期待に)どれだけ応えられるか正直、考えた。不安はあったが、キャンプを通してフィジカルの部分では進めた手応えがある。試合に出て活躍できたらいいなという希望の方が大きい」
―オファーを受けた際の感情は。
「10月下旬に『福島でプレーしてもらえないか』というメールが来た。最初はオファーなのか、ゲストプレーヤーとかなのか、意味がちょっと分からなくて。何度も読み返してやっぱりオファーでした」
―東日本大震災から間もなく15年。直後の復興支援慈善試合での得点が思い出される。
「被災地の皆さんが喜んでくれ、勇気をもらったという言葉をたくさんいただいた。自分でも印象に残る思い出深いゴール。新たなゴールを福島の皆さんと喜び合えたら。(最近は)福島を訪れる機会がほとんどなかったが、サッカー界が復興支援を続ける姿を見てきた。福島に住むようになれば、チームの皆と一緒に活動していきたい」
―どう貢献したいか。目標を数字で言うと。
「戦力として勝利に貢献したい。試合に出て活躍したい。良い準備をして全力を尽くす。数字を言うのは難しいが、ゴールなりアシストなりできたらいい。左サイドをドリブルで駆け上がり、良いクロスを上げたい」■プロの姿勢“カズ流”必要
福島U小山CEO
入団会見に同席したAC福島ユナイテッドの小山淳最高経営責任者(CEO)は、悲願のJ2昇格を目指すチームにとって三浦が「組織を1、2段階引き上げてくれる存在」だと評価した。クラブに迎えた意図を「試合への準備や判断力など、プロとしての『イズム』が必要だと思った」と明かした。
小山氏は三浦と同じ静岡県出身で、3年前から接点を持っていた。交渉の端緒について「最初はショートメールで連絡を取った」と明かし、福島Uでプレーしてほしいという切実な思いを訴えたと振り返った。獲得がかない「待っている間はヤキモキしていた。実現して非常にうれしい」と満面の笑みを見せた。
3月には東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から15年を迎える。「復興へ歩む県民の力強さと、日本サッカー界で一時代を築いたカズさんの姿は復興に向かう福島県民と重なる」と述べ、「ピッチ内外で与える影響は計り知れないと確信している」とした。

