こぼれ落ちた勝利、宿敵神村にあと一歩 福島県代表の尚志「決め切れないと上には…」 全国高校サッカー選手権

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こぼれ落ちた勝利、宿敵神村にあと一歩 福島県代表の尚志「決め切れないと上には…」 全国高校サッカー選手権

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決勝への切符はこぼれ落ちた。東京・MUFGスタジアム(国立競技場)で10日に行われた全国高校サッカー選手権大会の準決勝第1試合。3万4834人の観客が見守る中、福島県代表の尚志は気迫のプレーで神村学園(鹿児島)を追い詰めたが、わずかな差が勝敗を分けた。「決め切れないと上には行けない」。選手は、決定機で追加点を奪えず、終盤、劣勢に回った試合を悔やんだ。「全国制覇」への夢は、後輩たちに託される。
1―1から突入したPK戦、10人目。先攻の相手選手が決め、8―9で主将のDF西村圭人(3年)に順番が回った。ゴール上隅を狙ったシュートがクロスバーにはじかれた瞬間、膝から崩れ落ちた。ゴール前でうずくまる主将の元に仲間たちが駆け寄り、そっと肩を抱いた。
全国高校総体(インターハイ)準決勝で屈した神村学園と、互いに初の決勝進出を懸けた一戦。この日は相手に「トップで来る」と想定されていたFW根木翔大(3年)を右翼、これまで根木と交代出場していたFW岡大輝(同)を初スタメンで起用。根木が相手サイドを抑え、岡が前線でプレスをかけて相手のバランスを崩し、ポジショニングで相手のパスコースを封じた。神村学園の有村圭一郎監督は「やりたいサッカーができなかった。ゲーム内容では尚志に負けた」と振り返る。先制点を決めた岡は「自分たちのやりたいサッカーを全員でできた」と、歯が立たなかったという昨夏から成長した姿を示した。ただ、特に前半は決定機が多かっただけに、FW臼井蒼悟(3年)は「勝負どころで決め切れなければ上には行けない」と悔やんだ。
「逃げ出したくなる時もあったが、選手権という目標があったからここまで頑張れた」。試合後、西村は涙を拭い晴れやかな表情で語った。新体制として始動した当初は、「自分の色を出そう」と必死な選手が多く、プレーを巡って何度も衝突した。夏に神村学園に敗れた悔しさは、バラバラだったチームを一つにした。選手権では「チームのために戦う」とピッチ、ベンチ、応援席が一丸となった。
西村は「自分たちが見られなかったもう一つ上の景色を見てほしい」と願いをかける。DF星宗介(2年)は「来年、また国立の舞台に戻ってくる」と誓った。
仲村浩二監督は「結果は付いてこなかったが、選手の努力が実った試合だった」と、憧れの舞台で成長を示した教え子をたたえた。