割れやすい、落果しやすいモモ 「福島大学1号」品種登録 安定生産へ栽培技術確立に寄与 福島市

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福島大(福島市)は14日、モモの新品種「福島大学1号」が農林水産省に品種登録されたと発表した。
「あかつき」の系統で(1)実の表面が割れやすい(2)中心部の色づきがまばら(3)落果しやすい―など、商品化に不向きな「弱み」を持つ。袋がけなど複数の生育環境下で研究栽培することで、気候変動の影響が深刻化する中でもモモを安定生産できる栽培技術の確立や、新たな品種の開発などに寄与できるとしている。
福島大がモモの品種登録を受けるのは初めて。登録は昨年10月30日付。食農学類の高田大輔准教授(47)によると、福島大学1号は栽培技術が確立された品種と比べて気温や日照、降雨といった環境要因の影響を受けやすい。登録で研究サンプルとしての関心も高まっており、京都大、岡山大との共同研究を始めている。「欠点の分かりやすさを『反面教師』としてモモの生産技術の改善点を探りたい」と語る。
福島大学1号は「あかつき」から派生した品種「紅[べに]博[はく]桃[とう]」の変異種で、果樹のうち枝の一部が変化(枝変わり)した。紅博桃より生長が緩やかで成熟が3週間ほど遅く、収穫時期は8月中旬~下旬。糖度は13~15度と大きな差はなく、熟れたイチジクのような柔らかな食感がある。表皮は赤みが抑えられている。
降雨により実の表面が傷んで割れやすく、病害虫による影響も受けやすい。落果する割合も多いという。
2015(平成27)年夏に伊達市の果樹園から高田准教授に「枝変わりした桃がある」と相談があり、穂木を譲り受けて学内で育て始めた。果実の大きさや葉ぶりなど品種登録に必要な栽培データを蓄積後、2022(令和4)年に登録出願していた。