【2026ふくしま衆院選 急転直下】◇上◇ 自民「公明なき選挙戦」 公明、新党に不安と期待

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【2026ふくしま衆院選 急転直下】◇上◇ 自民「公明なき選挙戦」 公明、新党に不安と期待

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高市早苗首相の通常国会冒頭での衆院解散検討報道から1週間足らず。立憲民主党と公明党は衆院選に向け新党「中道改革連合」を結成した。中央政界のうねりは福島県政界にも波及。自民党県連とともに「県政与党」を掲げ共闘してきた公明党県本部は急転直下、前回衆院選で対峙[たいじ]した立民候補者と共闘することに。自民にとっては四半世紀ぶりの「公明なき衆院選」となるが、中央で連立を組む日本維新の会との県内での選挙協力は手探り。混迷する県内政党を追う。(文中敬称略)■困惑
新党結成の合意から一夜明けた16日、公明県本部の役員は郡山市で緊急会議を開き、対応を協議した。県内4小選挙区では、新党に合流する候補者を支援する方針を確認し合った。
公明の支持者にとってみれば、昨年7月の参院選では自民と協力関係にあった。わずか半年後の衆院選では一転して、自民と対立してきた立民の支援に回ることになる。
「われわれはどうすればよいのか教えてほしい」
困惑した支援者から、県本部代表の今井久敏のもとに電話が入った。今井は「地元は自民党の国会議員の支援者が少なくない。不安になるのは仕方ない」と推し量る。
一方、自民党派閥裏金事件を受けた政治改革や選択的夫婦別姓制度の導入推進、現実的な外交安全保障政策などは立民と近しい。ある県本部幹部は「本来目指すべき中道の政治を訴えられるという期待が強い」と打ち明ける。■戦々恐々
自民と公明は1999(平成11)年に連立を組んだ。四半世紀にわたり、衆院選で自民は原則として小選挙区で公明の支援を受ける見返りとして、比例では公明への投票を呼びかけてきた。この互恵関係は昨年10月の自公連立政権解消後も県内においては緩やかに維持されるとみられていたが、今回の新党結成により、ほぼ霧散した。
公明の支持母体である創価学会の組織力を背景に、「公明票」は全国で1選挙区当たり1万~2万票あるとされる。福島県でも自民候補者はこの組織力を借りて立民などの野党候補としのぎを削ってきた。
立民と公明による新党「中道改革連合」の結成により、自民は形式上は公明票を失う。ただ、その影響は計りきれず、自民県連内は戦々恐々としている。
2024(令和6)年10月の前回衆院選では公明の協力を得たにもかかわらず、県内四つの小選挙区で自民は1勝にとどまり、立民に3敗を喫した。共同通信の試算では、前回衆院選の県内小選挙区で唯一勝利した4区でも自民の得票から公明票を差し引いた場合、野党候補との一騎打ちに敗北していたとする分析が出ている。
「(新党結成の)影響はあるが、どれだけあるのかが分からない。(公明と立民の)動向も含め情報が足りない」。自民県連政調会長の佐々木彰は16日、危機感を口にした。公明票にもたれかからない選挙態勢を短期間でどう構築するのか。中央で連立を組む日本維新の会などとの連携を水面下で模索していく。■未知数
初めて連立与党として衆院選に臨む日本維新の会は、公明のような大きな組織票を持たない。関西中心に選挙戦で強みを見せるが、福島県でどれだけ影響力を発揮できるかは未知数だ。
昨年7月の参院選比例代表の開票結果を見ると、維新の得票数は2万7千票余り。得票率は3・21%で全政党の中で9番目。県内で浸透しているとは言いがたい。県総支部幹事長の山口和之は自民との協力関係構築に向け「比例票を広げていく。ギリギリまで柔軟に対応してきたい」と幅を持たせている。