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会津大短期大学部の学生は会津乗合自動車(会津バス)と連携し、路線バスの停留所周辺にあるスポットの情報を発信し、減少している乗客の維持・増加と地域活性化を目指す取り組みに挑戦している。会津若松市内全域の停留所約600カ所を対象に飲食店や土産物店などのスポットをスマホで確認できるシステムを開発中。距離や天候などを反映して店の情報を紹介し、待ち時間の有効利用による乗客確保につなげる。19日に実証を開始する予定。効果を検証し、実装を目指す。■飲食や天気、条件に合わせ
開発中のシステムでは、利用画面を開くと位置情報を元に近隣の停留所が自動的に表示される。停留所を選択すると周辺のスポットが表示される。事前に「空腹か」「疲れているか」「観光客か」を入力することで、利用者の条件に適した店や観光地、公園などを紹介する。天気情報も反映し、晴れの場合は停留所から半径1キロ、小雨は同600メートル、雨は同300メートルとするなど利便性を重視した。
停留所を選べば2時間以内に通過するバスの運行情報も閲覧できる。バスの進行方向で、通過経路、終着点を視覚的に確認できる。システムは会津バスが運用するバスの位置情報や、グーグルのオープンデータを活用する。
市によるとコミュニティーバスも含む市内の路線バスの利用者数は、2019年度は約149万人だったが2024(令和6)年度は約125万人まで落ち込んだ。ただ、自家用車を持たない学生や高齢者にとっては重要な移動手段の一つであり、利用者のニーズに合わせた公共交通手段の維持が課題となっていた。
2023年、地域や市町村が抱える問題解決に大学の教員や学生が取り組む県会津地方振興局の事業で市が課題を提起。会津大短期大学部産業情報学科の中沢真教授のゼミが活動に着手した。バスの運行情報を分かりやすくし、待ち時間を活用することが利用促進につながると考えた。今年度までに6人の学生が事業に参加し、システムの開発・修正を重ねてきた。
今年度、開発に携わるゼミ生2年の五十嵐妃菜さん(20)と菊地花奈さん(20)は「路線バスの利用率低下は全国的な課題。自分たちの研究が少しでも利用促進につながればうれしい」と力を込める。会津バス輸送管理課の穴沢信之助係長は「情報が見やすく操作しやすいシステムは、乗客確保の一つの手段になる」と期待した。

