福島のニュース
広島市で18日に開かれた全国都道府県対抗男子駅伝。優勝候補の福島県チームは宮城県チームとの激戦の末に2位となり、アンカーで逆転優勝した7年前の再現とはならなかった。一時は首位に立ち、2度目の頂点に届きかけたが、東北のライバルに要所で上回られる結果となった。ただ、各世代のトップ選手が故郷を背負って全力で安芸路を駆け抜け、3位だった昨年大会からの成長を示して銀メダルを手にした。それぞれが悔しさと成長の実感を胸に、次なるステージに進む。■監督「期待以上」
「自分の走りはできていたが、鈴木君の走りが良すぎた」。チームの流れを決める重要な1区を任された増子陽太(18)=学法石川高3年=。レース後に語る表情には、区間新の走りができた充実感と好敵手に競り負けた悔しさの両方がにじんだ。
全国高校駅伝で初優勝した学法石川高トリオに期待が集まる中、福島県チームは名実ともに高校世代トップ選手の先行逃げ切りの構図を描いた。増子が後続を突き放して首位でたすきをつなぐ―。想定通り、終盤までハイペースで先頭を走り、他選手を次々と突き放した。「誤算」は宮城の鈴木大翔(18)=仙台育英高3年=の走りだった。終盤での競り負けを「出し尽くしていたので挽回できなかった」と無念そうに語った。
「プラン」が崩れ、2区では首位に立ったが、その後は宮城の背中を追う展開が続いた。「一緒に走った彼らの頑張りを無駄にしたくなかった。目指してもらえるような走りがしたかった」。逆転の大仕事を任された最終7区の山口智規(22)=早大4年学法石川高出身=はレースへの覚悟をそう振り返った。箱根駅伝2区で日本人トップの区間4位を記録し、3年連続でアンカーを担った。早大のエースは後輩たちの期待を一身に背負い猛追したが、差を詰め切れなかった。「箱根の時の走りができていれば…申し訳ない」。区間20位に沈み、唇をかんだ。
一方で、昨年4区で区間賞を逃した栗村凌(18)=学法石川高3年=が5区で区間賞を獲得し、2区を走った高橋亜玖吾(15)=いわき秀英中3年=も区間3位の好走。増子も昨年更新できなかった区間記録を更新した。「仲間と支え合って成長できた」「県民への恩返しのレースとなった」。各選手が銀メダルを手に1年間の研さんへの手応えを実感する大会となった。
佐藤修一監督は「選手たちの走りは期待以上だった。これからも『強い福島』を体現していってほしい」と期待。創価大に進学する4区の保芦摩比呂(18)=学法石川高3年=は「悔しい形で最後の大きい大会を終えてしまったがこの思いをばねにもっと成長したい」と経験を次のステージにつなげると誓った。■来年リベンジを
県内関係者ら
福島県男子が初めて2位になった第4回大会でアンカーを務めた駒大陸上部監督の藤田敦史さん(49)=白河市出身=も応援に駆け付けた。レース終了後には教え子の谷中晴(20)=駒大2年、帝京安積高出身=にもねぎらいの声をかけた。「駅伝は流れだとつくづく感じた」と指摘。「この悔しさを持ち続けて来年リベンジできるように頑張ってほしい」と話した。
同じく福島県が2位になった第15回大会で最終走者を務めた中国電力陸上競技部監督の佐藤敦之さん(47)=会津若松市出身=は「次の世代を担う中学生や学法石川高勢の力走など、今後に期待できるレースだった」と来年以降のVに期待していた。

