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太平洋戦争中にテニアン島で戦死した旧野木沢村(福島県石川町)の佐藤正雄さん=享年(22)=の日章旗が米国で見つかり、21日に石川町の遺族に返還された。日本兵の遺留品返還に取り組む米国のNPO法人によると、オレゴン州のガレージセールで旗を購入した人から託されたという。佐藤さんの遺品や遺骨は戦地から戻ってきておらず、日章旗を受け取った遺族の孫は「おじいちゃんも故郷に帰れて喜んでいると思う」と話した。
佐藤さんは1942(昭和17)年に横須賀第二海兵団に入隊。翌年に第83防空隊に入隊し、1944年8月2日、激戦地だったテニアン島で戦死した。戦時中は日本兵と戦った米兵が戦利品として日章旗を持ち帰る事例が多く、佐藤さんが身に着けていた旗も何らかの形で米国に渡ったとみられる。
米オレゴン州を拠点に返還事業を行うNPO法人「オボンソサエティ」の敬子ジーク代表(58)によると、旗は韓国系の米国人女性が同州ポートランドで開かれていた遺品処分のガレージセールで見つけた。女性は過去に同法人の日章旗の展示を見たことがあり、購入を決意。昨秋、「日本の遺族に返還してほしい」とオボンソサエティに調査を依頼したという。日本遺族会などを通じて遺族を特定し、返還につながった。
旗は縦約60センチ、横約90センチで「武運長久祈」や「大丈夫」などと寄せ書きがされている。返還式を石川町役場で行い、佐藤さんの孫3人が参加した。日本を訪れていた敬子ジーク代表が、佐藤さんの長男和功さんの長女で孫に当たる佐藤のり子さん(62)に日章旗を手渡した。
のり子さんによると、約20年前に80代半ばで亡くなった祖母クニさん(正雄さんの妻)は生前、「夫が戻ってくるのを待っている」とよく話していたという。のり子さんは「偶然にも22日がばあちゃんの命日なので『正雄じいちゃんが戻ってきたよ』と報告する。返還に尽力した全ての人に感謝したい」と話した。

