福島のニュース
衆院選が公示され、真冬の決戦が幕を開けた27日、多くの県民が遊説先に足を運び、候補者の訴えに耳を傾けた。与党が連立を組み替え、結成から間もない新党が台頭をうかがう。解散翌日から投開票までは戦後最も短く、各党の公約も出そろったばかり。限られた時間の中、有権者は政党や候補者の違いをくみとり、一票の託し先を見極める。
27日午前9時過ぎ、福島市の会社役員、目黒正則さん(50)はJR福島駅周辺で候補者の第一声を見届けた。「地方の企業の声をしっかりと中央に届けてくれる候補者に一票を投じたい」と思いを明かす。昨年10月下旬、日経平均株価は初の5万円台を突破した。ただ、目黒さんはその恩恵が地方にまで十分に浸透した実感が湧かない。二本松市の会社員久岐斗亜[くきとあ]さん(27)も同様で「暮らし向きが楽にならない」ときっぱり。その上で「物価高騰をはじめ、身近な課題にも丁寧に向き合ってほしい」と訴えた。
暮らしの足元を支えようと、多くの政党が公約で消費税減税に踏み込む。ただ、期間や財源確保策はさまざま。会津若松市の会社員山本数馬さん(40)は「生活必需品の消費税も下がれば家計が助かる」と受け止める一方、「下げた後は、また上げるのだろうか」と疑念を抱く。「長い目で見た判断材料がほしい」と熟慮を重ねるつもりだ。新党誕生などで対決構図が変わり、遊説や演説会場にはこれまでの選挙では別の政党候補者を応援していた人の姿もあった。
若い世代もこうした選挙戦に関心を寄せる。相馬市の専門学校生秋葉泉音さん(19)は、今回が2度目の投票機会。昨夏の参院選で投票したものの、誰に投票するか迷った。今回、相馬市を含む本県4区からは4人が立候補した。「今度はインターネットなどで政策や人柄をしっかりと見て、投票に臨みたい」と話した。会津若松市のパート斎藤裕美さん(62)は「どこを選べば生活が少しでも上向くのか。限られた時間の中でしっかりと考えたい」と語った。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地に選挙カーが走った。双葉町に暮らす無職谷津田陽一さん(74)は発生から間もなく15年を迎えるのを前に「復興をテーマにどの程度の論戦があるのか」と静かに見守る。原発事故による避難を経て2022(令和4)年に帰還した。古里で生活する喜びを感じる一方、生活環境や医療体制はいまだ不十分に映る。町内の居住人口は約200人にとどまる。「人が集まってこそ町がにぎわう。各候補者は被災地の課題解決に向け、しっかりと政策を語ってほしい」と願った。■公示前警告ゼロ
県警
県警本部は27日、衆院選公示日前日の26日までの選挙違反取り締まり状況を発表した。警告はゼロで、2024(令和6)年の前回衆院選の同時期と比べ1件(1人)減った。

