福島のニュース
衆院選の日程が急きょ決まって準備期間が短く、一部の市町村選管委による啓発活動に支障が出ている。投票を呼びかけるためのグッズ納品や広報誌編集が間に合わず、対応の練り直しを余儀なくされている。前回衆院選の県内小選挙区投票率は53・93%で2人に1人が棄権した。厳寒期で投票率の低下を懸念する声もあり、関係者は「限られた方法、時間の中で投票を訴えたい」と知恵を絞る。
「みなさん棄権しないで投票しましょう」。川俣町選管委職員は選挙期日を告知し投票所へ足を運ぶよう促すチラシの文言に入念に目を通した。国政選挙の度に5千部ほど発行する町広報誌に啓発ページを設けているが、今回は印刷の締め切りに間に合わず、掲載を見送った。代替案としてチラシを作成した。31日の広報誌発行に合わせ、全戸に配り投票を働きかける。
磐梯町選管委は買い物客が多い日曜の2月1日にスーパーで啓発に声をからす予定だった。ところが、発注してからの期間が短いため、配布グッズが手元に届かない見通しに。選挙戦が折り返した平日に活動日をずらす見込みとなった。担当者は「投票率アップに向け、できる限りのことをしたい」としている。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で多くの住民が避難している自治体も投票を促す手法に頭を悩ませている。急きょの選挙の中、大熊町はこれまで同様に啓発グッズを役場などに置いたり、ホームページで発信したりする対応を取る。町選管委の担当者は「限られた方法、時間の中で精いっぱい投票を呼びかけていきたい」と話す。
県県南地方振興局は2月2日から5日に管内の企業5社を訪問し、従業員の投票行動を後押ししてもらう。一部で自治体職員が同行するが、各種業務で多忙の場合は振興局職員だけで対応する。企画商工部の小林良枝副部長兼市町村支援課長は「各自治体は業務に追われている。振興局を中心に啓発していきたい」と言葉に力を込めた。■会津短大生啓発ゲーム考案
試験時期で活動断念
選挙期間中は大学の試験時期に重なり、学生による同世代への啓発活動にも影響が出ている。
会津若松市の会津大短期大学部の高橋延昌教授(54)のゼミ生で1年の加藤磨生さん(19)は「実際に使えず残念」と肩を落とす。ゼミは県選管委の「県選挙啓発サポーター」に登録し、啓発グッズ制作に取り組んできた。今年度は地域の課題解決に向けた手法や予算を学ぶ「政策カードゲーム」などを考案。学生や市民向けに体験の場を用意したかったが、試験や年度末の課題提出の日程が詰まり断念した。
加藤さんは同世代はきっかけがないと投票所に足を運ばない可能性があるとみており「若者の投票率が大きく下がらなければいいが」と懸念する。

