福島のニュース
衆院福島県3区のエリアの多くを占める会津地方を連日、雪と寒さが襲う。ある候補者の選挙カーが30日、県内有数の豪雪地帯に入った。人の背丈より高い道路脇の雪の壁やスピーカーに積もった雪が候補者の声を届きにくくする。雪で車道の幅が狭くなり、車両は住宅近くまで行けない。速度を落として走行するため、後続車に道を譲る時も注意が欠かせない。試行錯誤の真冬の選挙は続く。
氷点下8・4度。雪が降りしきる檜枝岐村に同日午後、選挙カーからの訴えが響いた。道路は圧雪状態で滑りやすく、地吹雪で視界は白く染まった。山間部や峠道は勾配がきつく、カーブも急な上に道路の白線は見えない。候補者は「時間に余裕を持った遊説計画にしているが、天候や路面状況が悪いと大幅に予定が狂う」と頭を悩ませる。
少しでも声を届けようと、選挙カーの窓を開けると、雪と冷たい空気が車内に入り込む。同乗するスタッフの体調に配慮し、ためらう。候補者は、雪深い地域は高齢者が多く、交流サイト(SNS)での発信も届きにくいと感じており、「有権者にどのように訴えを届けるか悩ましい」と心境を明かした。
別の候補者は30日、喜多方市や三島町を巡った。過去の衆院選と比べ、雪深い地域ほど人出は少ない。「今までのやり方が通用しない。訴えは届いているだろうか」と不安が募る。
公示初日には機材トラブルに見舞われた。喜多方市で街宣中、選挙カーに取り付けたスピーカーが故障して音が出なくなった。自身の名前が書かれた看板の照明もつかなくなり、選挙スタッフが修理した。機材に付着した雪が故障の原因とみている。「他の選挙区と比べると雪のハンディは大きい」と吐露した。
今回は街頭演説よりも公民館などを使うミニ集会に力を入れる。陣営幹部は「屋外で凍えながら演説するのも聞くのも体に悪い」と会場確保に奔走したという。
■「投票行くの大変」
有権者
豪雪地帯の住民にとって、遊説を聞こうとしたり、投票に行ったりするのも一苦労だ。只見町塩沢の渡部仁一さん(67)の自宅前には除雪でできた雪の壁がある。選挙カーが通っても道路が見えず、音がしないと気付かない。日に数回、雪かきに追われている。「天気のいい日に期日前投票を済ませるしかない。雪国の選挙は有権者にも苦労が多い」と話した。
金山町の栗田伝三郎さん(82)も「この時期に離れた期日前投票所まで投票に行くのは大変だ」と感じている。投票日に開設される近所の公民館で一票を投じるつもりだ。

